先日、初めてあらかわ遊園に行った。それは荒川区が運営している小さな遊園地だ。ジェイジェイは大好きな番組「モヤモヤさまぁ~ず」であらかわ遊園が取り上げられてからというもの、ずっと行ってみたかったようだ。私は区が運営している遊園地ということで入場料200円、未就学児は無料とお母さん友達から話を聞き、安く遊園地が楽しめるなら行ってみないと!と思っていたところだった。
トゥットゥにとっては初めての本格的遊園地になるのではないだろうか。上野動物園手前の「上野こども遊園地」だったり、鴨川シーワールドの乗り物には乗ったことはあるのだけれど。どんな反応をするか楽しみだった。
最寄り駅は都電の「あらかわ遊園前」だ。そもそも都電はJRや私鉄などの電車とはアクセスが悪い。行くための工程がすでに遊び! そう思わないとやっていられない隅田川沿いの辺鄙な場所(ゴメン!)にある。案の定、電車好きなトゥットゥは
「とでん!とでん!」
荒川都電ですでにテンション高め。あらかわ遊園手前の公園で
「こうえんであそぶー!」
と愚図り、真打にたどり着くまでに全てのパワーを使い尽くしてしまった形になってしまった。
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入場券を買って早速、テンション低めのトゥットゥをボールプールハウスで遊ばせてみた。いつも「ボール、ボール」と言うので気に入るのではないかと思ったのだ。ところがこの設備、子供だけが入れて、親は一緒に入れないため、トゥットゥだけがハウスに入れられるはめになり、親と引き離されて大号泣。それで機嫌を損ねてしまった。
100円を入れてガタゴト動く錆びたパトカーや消防車、アンパンマンの乗り物には見つけると興奮したようだったが、それ以外はなんとなくダウナーな雰囲気。豆機関車を差して「ほら、トーマスだよ、あれ!」と嘘で煽ってみたが、もちろんトーマスでないことくらいは丸わかりで、「あー。」「うーん。」と言った渋い反応であった。
トゥットゥが一番楽しそうにしていたのは、下町都電ミニ資料館だった。Nゲージの都電ジオラマがあり、奥には鉄道各種雑誌のバックナンバーとプラレールが揃っていた。プラレールで一通り遊んだ後、鉄道雑誌の指差して「しんかんせんのほん、とって。」と偉そうに振る舞い、一丁前に目を通して、「これなに?」と私を質問攻めにした。
結局、私の一番記憶に残ったのは家族3人で乗った小さな観覧車だった。窓からの景色よりもドアの隙間から見える下の景色が足をすくませ、いい大人の私もジェイジェイも
「怖いよー。」
と言い続けた。大人の恐怖を敏感に感じ取ったのか、体重13kgのトゥットゥは80kgのジェイジェイにしがみつき、明らかにバランス悪いゴンドラとなった。体重50kgの私が彼女を抱っこすればバランスが取れるのではと、彼女を引き取ったが、お父さんがいいと暴れて、ゴンドラはさらに揺れることに。小さな観覧車がちょっとした恐怖であった。
あらかわ遊園行きを振り返り、2歳7ヶ月のトゥットゥには遊園地を全力で楽しむという力はまだ備わっていないと認識した次第であった。
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今日の保育園の連絡帳にこんなことが書いてあった。
「お友達がUSJのハリポッターのアトラクションに行った話をしていたところ、トゥットゥちゃんは『トゥットゥも昨日ハリポタ行った』と言っていました。」
…先生、すいません、それはあらかわ遊園です。
ハリポタは8月の金曜ロードショーをトゥットゥと一緒に見たときに、しきりと「これなに?」と聞いてきたので「ハリポタだよ。」と教えたことがあった。だからお友達が「ハリーポッター」というキーワードを出してきた時に、思い出すものがあったのだろう。あらかわ遊園にあんなに塩反応だったトゥットゥも、ハリポタと記憶を混在させてまで、USJと対抗する話として持ってくるのであれば、それなりに記憶に残ったのだろうと思った。
きっとこうやって楽しむ力(それは楽しいものである、自慢できるものである、皆に楽しさを伝えたいものである)が備わっていくのだろうな。