2015年9月5日土曜日

夏の終りのジャブジャブ池

トゥットゥはお盆にサチおばあちゃんに教えてもらったシャボン玉遊びが忘れられないらしく、家ではシャボン玉、シャボン玉と言い続けた。自分の子供の頃を思い出すと確か、台所中性洗剤を薄めてシャボン液を作っていなかったか。お風呂で早速実行してみるも、洗剤を水で薄めすぎると膨らまずに割れてしまう、洗剤が濃すぎるとシャボン玉が重くてすぐに沈んで割れてしまう。それを見てトゥットゥはがっかりした顔をした。

夏も終りの雰囲気が漂い始めた9月はじめ。トゥットゥを連れて家族で公園に行った。家の中では退屈だろうからと遊ばせるためだ。もちろん公園ではシャボン玉遊びをさせようと思った。お風呂での実験で得た結論から、わざわざシャボン玉液を買った。公園につくと早速シャボンを作ろうとしたその時、目に入ったもの、それはジャブジャブ池だった。

「おみずにはいるー!」

今日は肌寒いからとか、水着を持ってきてないからと言っても聞くような子ではない。なぜこのような日にジャブジャブ池が。張り紙を見ると今日が最終日とのことだった。池を管理する区を呪った。





ジャブジャブ池というキーワードはトゥットゥが0歳の頃から、同じく子育てをする友人から聞いていたのだが、なんじゃそりゃという感じだった。なんでも家の近くの大きな公園のある場所が夏場だけ水浴び場になるというのである。へえ。確かに一度遊びに行ったことがあり、その公園を知っているが、プールのようなものはなかったものな。

そして今年、うちの近所の大きな公園にもジャブジャブ池があることを知った。うそーぅ!? どこにそんな水浴び場がある? いつも行っている公園だが、それらしきものは見たことがなかった。都市伝説だと思った。ところがである。義妹のユキちゃんが言っていた。

「今度ターをあの公園のジャブジャブ池に連れていきたい。」 

どうやらあることだけは本当らしかった。

8月2日(土)、トゥットゥはジェイジェイに連れられてその公園に行くことになった。ジャブジャブ池なるものが仮にあるとすれば、噴水や水が大好きなトゥットゥのこと、絶対に入るに違いない。疑念を持ちながらも着替えと替えのオムツ、タオルを持たせた。ここで自分がジャブジャブ池を知らないことがわかった。そもそも夏が苦手なので休日の日中、日の差す場所に外出することはよほどの用事がない限りないのだ。ジェイジェイが連れていく段階でそのことに気づこうとは…とほほ。

どうせ水浴び程度だろうと高をくくって家で家事をして待っていたら、約2時間後、二人ともものすごい格好で帰ってきた。トゥットゥは服は着替えたようだから問題なかったが、髪が全て濡れている。そしてジェイジェイの服がべったりと濡れている。

「本格的だった!水着じゃないとダメだ!!」

ジェイジェイの第一声だ。トゥットゥが履いたオムツは濡れ濡れ、パンパンとなり、全身ずぶぬれとなったらしい。そしてトゥットゥの手を引いて遊ぶ自分は言わずもがな。

本当にそんな場所、あの公園にあったか? これは私自ら行って確認するしかあるまい。

翌週8月9日(土)に自分も一緒に例のジャブジャブ池に行くことにした。今度こそトゥットゥには水着を着せて、そしてジェイジェイにも着替えを持って。

公園について、私の見たもの。そこは円形広場の中央オブジェから吹き上がる水、ひざくらいまで溜まる水だった。ええ、ここ、ただの円形広場とベンチじゃなかったの? 池だったのかー! 驚きだった。トゥットゥはジェイジェイに連れられて早速入った。今度は水着なので、保育園プールでやっているように、水の中をワニ歩きだって心着なくできる。円形プールをぐるぐると回って、とても楽しそうだった。

でも思った。私は暑いのはやっぱりダメだ。早く帰りたくて仕方なかった。ジャブジャブ池はジェイジェイの係にしよう。私は二度とジャブジャブ池に来ることはあるまい。そう誓った。





そう誓ったはずなのに、夏の終りの土曜日。盛大に駄々をこねるトゥットゥに根負けして、彼女をTシャツにオムツ一丁にして膝まで浸からせ、私が脛まで水に浸かって一緒に遊んだ。ジェイジェイは写真係となった。

本当に夏の最後だ。そうかみ締めながら遊んだ。夏は嫌いだけれど、夏の終りはやはり寂しいのね。この感じ、嫌いではないな。