2015年6月18日木曜日

ボルト繋がり

本日Google Atmosphere Tokyo 2015(2日目)。キャッチフレーズが「『働き方のこれから』が、ここで見つかる。」 今年、会社で初めて私が在宅勤務をトライアルで実施することになっていた。それに関連して、クラウドにより働き方がどのように変わったのか実例を知り、自分たちの会社はどのように適用すべきか見極めようと思った。そこで5月よりDaas導入などのセミナーに出かけていたのだが、今年はタイミングよくGoogleがそれをテーマにすると直前に知り、上司にお伺いを立てて出かけてみることにした。直前に知りというのは、そもそもうちの会社は既にGoogle Apps for Businessを導入しており、いまさらねというのもあって注意していなかったのである。

いつものようにトゥットゥを保育園に送っていき、その足で会場の六本木ヒルズへ。最寄駅は日比谷線または大江戸線の六本木駅である。足立区在住の会社の後輩から「朝の日比谷線は恐ろしく混雑します。ぎゅうぎゅうで体浮きます。」と聞いていたので、いっそ大江戸線で行こうと思ったが、あまりの遠回りに開始時刻に間に合わないことがわかり、素直に日比谷線を利用。戦々恐々としていたのだが、ゆとりを持って立てる程度であり、落ちついて向かうことができた。





駅に着くといろんなところに六本木ヒルズ最上階の森アーツギャラリーセンターで「ナルト展」の宣伝があった。私も約5年前まではコミックを買い集めていた熱心な読者だった。何より作者の岸本さんは絵がうまい。どの角度からも陰影(スクリーントーン)がなくとも立体的に浮かび上がる正確なデッサン。それが私がファンである一番の理由だった。ところが結局一人暮らしの部屋に置き場所がなくなり、泣く泣くマンガを売り、いつか電子書籍でと心に誓って読者を辞めてしまったのだ。どんどん話が暗く複雑になり、敵のキャラクターも増え、好きなキャラクターの活躍が重点的に見れなくなったことも関係していた。私は純粋な心を持った主人公のナルト君が好きなのである。

朝の基調講演が終わり、六本木ヒルズのお店でもウィンドウショッピングするつもりだったが、1時間あるのならと、私はナルト展に向かった。読者を離脱してしまったため、あの後どうなったのか気になったのである。気持ちは親戚のおばさんだった。

先ほどファンであるのは岸本さんの絵がうまいことだと書いたが、コミックを売って電子書籍に鞍替えしようとしたのにはそれなりの理由もあった。それはカラー原稿の単調さである。コピックで彩色をしているらしいのだが、紙との相性が悪いのかべた塗りに色むらがあり、コピックの面白さである色重ねを十分に活かしきれず、陰影のみでとどまっているところがいまいちだった。あと画面全体の色のバランス。全体的にどこも主張していて、まとまりを欠いた印象があった。カラーで、もっと言うなら紙で見る意味があまりないのである。

よってそこまで生原稿そのものには期待していなかったところもある。平日ゆえにすいすい見て話しの顛末を確認して出てこようと思ったが意外と人が多い。自然じっくりと見ざるをえなくなる。白黒はもともと上手だと思っていたが、白黒原稿の線の繊細さに驚いた。そして一番驚いたのはカラー原稿の美しさだった。私がまとまりを欠いたと印象を持った色彩はここでは活き活きと煌いて見えた。印刷物の限界に私はやられたのだ。読者を離脱したことを悔いた瞬間だった。

この展覧会で、ナルト君は立派な火影となり、日向ヒナタと結婚してボルトという子供が生まれていることを知った。外伝で描かれているらしい。よかった、おばさんは君の成長を見届けることができて嬉しいよ。今度こそ完全版が出たらそれを買います。

Google Atmosphereに戻ったのは13時ぎりぎりとなった。





さてGoogle Atmosphere。朝9:30から11:40までぶっ続けの基調講演の後、昼からは6会場にわかれてセミナーが行われた。こちらどうだったのかという感想であるが、Google主催のお祭りなので、その気分(賑やか、やる気)にさせることが主だと思われる。よって私が参加したセミナーだけかもしれないが、具体的、実践的なものの紹介はほとんどない。あったとしてもそれに伴う効果の計測はない。ああ、その先が知りたい、やってみたいと思わせたら成功だろうから、その意味では成功ではないだろうか。

ただ私としてはやはりその先が知りたかった。環境、人事制度、社風。ダイバーシティ(在宅制度も含め)に取り組む場合、これが揃わなければならないと先日のセミナーにでも聞いた。Google(環境)を導入するだけでは、いつでもどこでも誰でも、細切れで仕事ができるようになるわけではない。Googleをどうやって使いこなしていったのか。どんな人事制度をそろえたのか、社風をどうやって変えていったのか、そういった実例やヒントがほしかったのだが、ほんの触りだけだった。

そうなのだ。ここで発表した人たちもまだ模索しているのだ。これといった正解がないのだ。受験勉強のように答えがあるわけでもなく、ここは予備校ではないので解法を教えてくれる場所でもないのだ。それがお祭り気分の中でわかっただけでもよしとしよう。このような機会をくれたGoogleに感謝したい。

そしてこのセミナーで思ったこと。Google Apps Vault、最強じゃん。奇しくも、ナルトの子もボルトだなあ(スペルは日向"ネジ"にあやかってboltのようですが)。いずれ全てのストレージ(正確にはクラウドアーカイブ付きグループウェア)は、このGoogle Apps Vault機能を持つGoogle Apps for Workか、日本企業みんな大好きOfficeのOffice365になるんじゃないかと思った。マイクロソフト、早くしないとGoogleに日本市場をのっとられちゃうよーなんても思った。

さて、Google Apps for Work、ストレージ無制限・Vault機能付きだと月額1人1200円。高いと見るか、安いと見るか。うちの会社の使い方では明らかに割高。どうしようね。私が決定権持つなら、導入するけどね。だって暗号化メール添付やファイルサーバ運用の面倒くささから開放されるんだよ! そのめんどくささを試算せねば!!





Google Atmosphereの帰り、六本木ヒルズの中に入っているESTNATIONで傘を買って帰る。この冬のバーゲンでいつもの池袋西武で素敵な折り畳み傘を買ったのだが、骨がすぐに折れてしまったのだ。くそう、メイドインチャイ○。次に傘を買うときは高くても日本製と決めていたのだが、なかなか気分の上がる傘の色・柄で、日本製のものが池袋西武には出てこない。どうも日傘のシーズンで晴雨兼用のものばかり押している。私がほしいのは雨傘なんだよ!

そんなことを思っていると、ばったりここで日本製の素敵な傘に出遭った。美しい南国風のリバティ柄だ。差しただけでうっとおしい雨の中気分が上がるのがわかった。清水の舞台から飛び降りて買った。13000円也。大丈夫。元を取る自身はある。私は以前大学時代に買った傘を8年間使ったことがある。もの持ちがいいのだ。大切に使おう。

ただ買って帰ったこの日、保育園にトゥットゥを迎えに行くと、保育園で盗まれやしないかビクビクすることになった。貧乏人が身分にそぐわない傘を買うもんではないと少し反省をした。