2018年4月28日土曜日

あれは幼児自慰なのか?

幼児自慰という言葉をご存知だろうか。私自身の理解として、男の子がおちんちんを触ったり、女の子が机の角でお又をこすりつけたりするもので、ある時、子ども自身、それが気持ちいいと気付いてしまったら癖のようにやってしまう。特に大人が想像してしまうような性的な意味もなく、他に熱中することがあれば止めてしまう程度だと理解していた。

こちらのページの説明がわかりやすくてよい。(こころとからだの性・生教育 幼児の自慰

トゥットゥやゴッシュがやるというわけではないのだが、ふとそれかと思う件があり、ここに書いてみることにした。





4月、進級して年長のお姉さんになったトゥットゥは元気に保育園に通っていた。ところがある日こんなことを言い始めた。

「〇〇君がお昼寝の時にトゥットゥにおちんちん触ってって言うんだよね。で、触らせられるの。」

私は一瞬ギョッとなった。ニュアンス的には「これって変だよね、どうしたらいいの?」という意味が込められているように感じた。私は小児自慰のことは知っており、大人目線の性的な意味付けはしたくなかったので、できるだけフラットな言葉を選んでアドバイスした。

「あー、大切なところだからね。むやみに人のものは触らないほうがいいね。今度そうなったら『いやだ』って言うんだよ。」

これで済んだはずだった。

しかし今度は日曜日の昼下がり、ジェイジェイもいる前で同じことを言った。ジェイジェイは驚き、きつめな語気で言った。

「触っちゃだめだよ! 変なことなんだよ、それは!」

トゥットゥもお父さんの強めの言葉に驚いたようだった。男親は冷静になれないかもしれないからと私が会話に割って入ることにした。

「またそういうことがあったんだね。この前、嫌だったら、嫌って言うんだよって教えたよね。もしかして嫌じゃないとか?」
「うーん、でも〇〇君は触ってって言うんだよ。」
「おちんちんって大切なところだよね。手で触るとばい菌が入ったりして病気になることもある。ほら、もう引っ越しちゃった◇◇君は年少組のとき、触りすぎて腫れちゃって病院に行ってたって、お母さん聞いたよ。トゥットゥだってお風呂でお又洗いすぎて痛くなっちゃったことあったでしょ。〇〇君も病気になったら大変だ!だから触ってはいけない。」
「でもさ、〇〇君は大丈夫だからって言うんだよ。」
「じゃあさ、お昼寝の時、近くの先生に言ってみれば?『〇〇君がおちんちん触ってって言うよ』って。そしたら止めてくれるかもよ。」
「でもさ、〇〇君は先生には内緒だよって言うんだよ。」
「だったら、もう我慢できないってなったらその時、声をあげることできる?」
「うーん、そんなことしたら〇〇君かわいそうだよ。」

ジェイジェイは息荒めに言った。

「ダメなの!ダメだよ!今度されたら断るんだよ!先生に言うんだよ!!」

黄色信号が灯る。それは先生の目の届かないところで行われ、トゥットゥはどうやらそれが「変」だということはわかるが、仲良しの相手にお願いされている手前、断り方がわからないという優しい我が子にありえる状況だった。

これは赤信号の大事になる前に大人が入っていかなくてはならないケースだ。ここで言う大事とは、一番はトゥットゥがが男性器を触らせられるということがトラウマになってしまうこと、相手の男の子もそんなことを女の子にさせたという意識の植え付け、もしくは習慣化、そして園と親、親同士のトラブル。目標は〇〇君のお昼寝時のその問題行為を止めさせること。





私は翌日の朝、すぐに担任に言った。荒立てなくないのでさりげなく

「うちの娘がお昼寝の時に〇〇君におちんちん触らせられるって言ってるんです。そんなに嫌そうなそぶりはないんだけど、困惑してるみたい。お昼寝の時ちょっと見てくれませんか?」

担任はすぐに動いてくれたようだ。その日迎えに行くと報告があった。トゥットゥと〇〇君双方に聞いてみた。どうやら事実のようですと。特にトゥットゥはいつ頃からか、どんな風にか、など私たちに語ったように事細かに話したようだ。それで先生は事実認定したと言う。

「トゥットゥちゃんに嫌な思いをさせてしまい申し訳ありません。5歳といえばだんだん記憶に残る時期となります。本当に申し訳ありませんでした。今後の対策としては男の子と女の子のお布団を分けること、またきちんと職員の目が届くようにします。」

これで当座の目標は達成できた。先生は言葉を続けた。

「もともと小さい子でも自慰をすることはあるんですが、ホルモンバランスも関係しているみたいで、思春期ではないんですが、幼児にも性的な高まりに伴って行為の回数が増えることが見られるんです。
〇〇君、少し家庭に事情がありまして、塾通いもしていて睡眠時間も短いみたいで。ストレスもあったんだと思います。」

さすが幼児保育のプロ。わかりやすくその男の子の状態を伝えてもらえてこちらも安心した。私はここで改めて「幼児自慰」という言葉が頭に登ってきた。そうか、男の子が相手に性器を触らせるということにフォーカスしていたが、彼にとっては自慰なのか。そして先生によって幼児自慰がそんなに単純な話ではないことがわかった。子供も自分の体のエネルギーのバランスを取るためにいろんな形でそれを外に出すのだ。調べてみたらこちらのページに詳しかった。(幼児教育ポータルサイト 自慰は笑って見過ごせ

なにはともあれ、トゥットゥに本格的な嫌悪が芽生える前でよかったと思う。〇〇君はトゥットゥが好きなお友達でもあるので、親としてあまり過剰な反応はせず、行為について意味付けもせず、しかし危険が迫りそうになったらすぐに手を差し伸べられるように見守っていきたい。