ここ3日間ほどトゥットゥはうんちが出ておらず、昨晩はラキソベロンを6滴飲ませた。朝、早速エンジンはかかるようなのだが、うんちが硬くてなかなかでない。というよりトゥットゥが切痔が怖くて強く力めないのだろう。かわいそうに。保育園に行く前から汗だくになって放心状態。
保育園に着いても元気がなく、着替えをセットする私の後を無言でトボトボと歩いて付いてくるだけだった。それを見たK先生が声をかけてくれた。事情を話すと「トゥットゥちゃんつらいね。今日はうんち、いっしょにがんばろうね。」と行ってくれた。トゥットゥは少し顔を上げて弱弱しく笑った。
最近うんちをがんばって出すときは必ず私を指名する。
「おかあさん、(手を)つないで。」
「おかあさん、いっしょに。」
「おかあさん、ここにいて。」
ジェイジェイが代わりに手をつないであげようとしても、払いのけて「おかあさんがいいの。」と言った。ただし浣腸をやった直後は「おとうさんがよかったのー」と、やむを得ないとはいえ私の強引な行為を咎めるように、お父さんに抱きつくのだが…。
今日は私もジェイジェイも会社の送別会で、迎えをサチ母に頼んであった。うんちで大変なことになっているトゥットゥに、事情を知らないサチ母。私が迎えに行かなくても大丈夫だろうか。昨日からトゥットゥには言い聞かせてあるものの、心配が頭をよぎった。しかし出勤時刻は迫っている。保育園でうんちが出ますように。そう願いながら保育園を後にした。
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送別会。ジェイジェイの送別会は会社のゴルフ仲間のAさん。奥様の転職に伴い、それについて引越しをするという、いわゆる家庭の事情というものでの退職だった。奥様はとても優秀で、日本でも有数の大企業に引き抜きを受けたとのことだった。すごい、ヘッドハンティング。そしてジェイジェイのゴルフ仲間も大変優秀で会社の中でも出世頭だったので、その選択は我が社にとっては非常に残念なものとなった。(私とジェイジェイは同じ会社)
その件については、私の情報システム部や隣の管理部門でも話が持ちきりだったのは言うまでもない。
「あの優秀なAさんが辞めるなんて、何かあったんか? うちの会社、大丈夫か?」
私はジェイジェイから事情を聞いて知っていたが、それまでずっと口を噤んでいた。しかしこの日も管理部門の女性達がかしましく
「家庭の事情っていっても、Aさん、4月時点で降格されたでしょう? きっと上層部と折り合いが悪かったのよ。」
と話すものだから、私もいてもたってもいられなくなり、少しだけ事情を話した。
「奥様の転職でお引越しなさるそうですよ。」
するとさすが噂好きの女性たち。
「ということは夫の会社より、妻の会社のほうが給与が上ということでしょ。うちの会社、かわいそ~。」
と大声で叫んだ。ううぅ、そうきたか。言うんじゃなかった…。
そして私のほうの送別会はと言うと、新人時代から約8年間、私と一緒に働いてくれた男性とのお別れ。ジェイジェイも約3年間ほど一緒に働く。何かプレゼントがしたくて、ジェイジェイに靴下屋でスニーカーソックスを買ってきてもらいそれを渡した。システム前任者の彼の異動により、4月の洗い替え、5月のシステム移行では、私自身不安で不安で地獄を見たが(新担当でよくわからんので…)、彼が粛々と業務をする姿を思い出して、余計に彼のありがたみをかみ締めたところであった。そして送別会。いつかはお別れ。異動先でもがんばれよ。
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私の送別会はつつがなく終り、帰路についた。21時ごろ家に到着するとサチ母に連絡はしておいた。トゥットゥはうんち出ただろうか。久しぶりのサチ母のお迎えに戸惑ってはいないだろうか。心配をしながら駅からの道のりを歩き、マンション近くまでやってきた。聞いたことある高い声。見たことのある人影。トゥットゥとサチ母!
トゥットゥはばあちゃんの手を引いて真っ先に私のところにやってきて
「おかーしゃーん、おかえりー。」
と言ってくれた。そして間髪いれずになにかおしゃべり開始。「トゥットゥはねぇ、○△×●@*…」 おそらく今日の報告をしているのだろう。元気そうな様子に私の心配は吹き飛んだ。
追ってサチ母がいろいろと説明してくれた。保育園で大きなうんちが出たこと。お腹がすっきりしたため夕飯をものすごく食べたこと。その報告だけで万々歳だった。さらにお母さんが帰ってくる時間だよと伝えると迎えに外に出ると言ったことも教えてくれた。そうか、迎えに行くと言ってくれたのか。とても嬉しかった。
こうやってサチ母にトゥットゥのお迎えに行ってもらったのは本当に久しぶりで、とてもトゥットゥがおしゃべりが上手になったことに驚いていた。トゥットゥをお風呂に入れた後、トゥットゥの世話をしながらサチ母とのおしゃべりに花を咲かせていたら、トゥットゥはそれが面白くなかったらしく
「トゥットゥはねえ、もうねるの。ベッドにいくの。」
と私を急かした。はいはい。
そういえば、6月13日(土)だったか。スーパーの買い物に一緒に行くかと誘ったところ、私が準備にぐずぐずしていたら
「おかあさん、おそといくよ!」
と誘いにきたっけな。おしゃべりできるようになったとはいえ、一人でぶつぶつ言うか、私たちの質問に返すかだったのが、今日のお迎えといい、自分で他人に働きかけるということができるようになったのだ。成長したなあ。