2015年11月15日日曜日

血なんですかね(七五三後日談)

デコ母に電話。無事トゥットゥの七五三が終わったことの報告だ。七五三の感想が「やっぱりおようふくがよかったのね。」だったことを伝えると、デコ母は驚いたように話を始めた。

偶然、今朝デコ母は自分のお母さん、つまり私のおばあちゃんと電話で話をしたそうだ。私の3歳の七五三では、おばあちゃんがわざわざ着物を作って、兵庫県から私たちの住む山口県に駆けつけてくれたという。着物の裾上げなどは前日入りしたおばあちゃんが全てやってくれて、いざ本番を迎えたというが、当日それは私が着物を嫌がって、嫌がって、帰りの車の中で全部脱いでしまったらしい。私はもちろんだが、デコ母もそのことをちっとも覚えていなかった。おばあちゃんに言われて「そうだったかしら」と笑いながら昔話に花を咲かせたという。

自分では聞き分けのよいいい子だと信じていたのだが…ダメだったのか、着物。やはり血なんですかね。トゥットゥの感想に納得である。ただ3歳の時だったか、7歳の時だったかは忘れたが、着物を着た大勢の子と一緒に七五三の祝詞をあげてもらうにあたり、

「私の着物が一番かわいい!」

と強烈な自負心が湧き上がったのを覚えている。そのことをデコ母に伝えると、

「おばあちゃんが喜ぶわ!」

と喜んでくれた。あの着物はおばあちゃんがお祝いに作ってくれたものだとこの電話で初めて知って、当時幼心にそう思ったことは、なんというか、人のつながりや思いという視点から、正しかったのだと思った。





話変わって、トゥットゥが生まれ職場復帰してからというもの、自分の時間というものがほとんどなく、こうやってブログを書くのも精一杯となってしまった。もっと本が読みたいし、絵も描きたい。ああ、時間を捻出したい! と常々思っていたところ、近所のコンビニの雑誌の棚にある雑誌を見つけた。

プレジデントウーマン 2015年12月号
朝活&夕活で、200%充実の私! 人生のすべてが変わる 時間のルール

本家「プレジデント」は、多くのデータやサンプルを提示したビジネス雑誌の体をしているが、実際はデータ(他人)と比較して、当人の優越感、劣等感を煽る以外効能はないんじゃないか?と思わせるような編集だなという感想を持っていた。成功した人や専門家が紹介する解決策や指針も出しているものの、なんでも手っ取り早く成果を結びつけようとする勧め方であるため、結局「煽る」という印象しかないのである。情報誌というよりは自己啓発本に近いといえば近いのかもしれない。

プレジデントウーマン」はもう少し落ち着いた雰囲気を漂わせており、専門家の提示する解決策も各女性のケースに寄り添っているような印象を受けた。「煽る」感じはない。買ってみよう。そうして特に知りたかった時間術を隅から隅まで読んだ。

一番近かったケース、2歳の男の子を持つ働くお母さん、子供でヘトヘト、体力の限界で自分のことが後回しになるというもの。共感を持って読もうとした。が、無理だった。そもそも対象女性の時間術実行前のスーパーママぶりといったら! 保育園に迎えにいった後に帰りがてら一緒に遊ぶ1時間? 夕飯の準備に20分? その彼女に提案された時間術というのがまたすごい。休日に常備菜を作って、夕飯の支度を10分にするというもの。その上夕飯の準備がてら翌日の料理の下ごしらえ。彼女は家事能力(特に料理)がそもそも高いのであろう。

まったく参考にならん!!!

常備菜、私はうまく使えた試しがない。では常備菜を使った数日間の献立を立てろって? そもそもその日によって食べたいものの気分が変わるのに、なぜ献立でがちがちにしなければならないのか、そこから気分が乗らない。では常備菜でその日に食べたいものを作れるスキルを身につければいいではないかって? なんで数日前に茹でたり煮たり焼いたりしたものを食べないといけないのだ。仕込み以外は当日調理したほうが美味しいに決まっているだろう。数日前のものを食べるという見方をしてしまうと、とたんにまずそうになり気持ちが乗らない。

そう、私はマインドからいって料理が下手なのである。料理が嫌いなのである。

やっぱり「プレジデント」かよ。でてくるのはスーパーママばかりではないか。やっぱり「成功者たるもの」的な煽りに思えてしまった。半分僻みだろうけど。

そんな話を七五三の話のついでにデコ母にした。

「あら〜、お母さんも常備菜、ダメだわ〜。使えないわ〜。腐らすわ〜。やっぱり血ぃなんかねぇ。ごめんね、謝っとくわ。」

ああ、もう、血なんですかね。諦念。私自身のことも。トゥットゥのことも。