2016年5月2日月曜日

Wi-Fiのおかげ

入院直前にWi-Fiのモバイルルータのレンタル契約をすることにした。私はスマフォを持っておらず、未だにガラケー。きっと入院生活で退屈するにちがいないと思ったからだ。一応この業界の人間なので、モバイルルータが何かはわかっていたが、若者のように出先でリア充ぶりをアピールするためにSNS利用する必要性はほとんどなく、仕事で常にメールチェックをしなければならない立場でもない。家の中のWi-FiによりPC、タブレットが使えれば問題なかった。

ただ、いざモバイルルータを使うとなると、電波特性、通信速度、サービスの内容がよくわからない。通信上限ってなんだ? ああ、ある期間、ある通信パケット量を超えると通信速度が遅くなるのね。…などサービスを調べていたら軽く2時間を超えてしまった。ただでさえ入院直前の土日、準備で忙しいのに!

ここでまとめを書くと代表的なサービスは二つに絞られる。

一つは動画やゲームをするなら通信制限のないWiMAX。ただし帯域により建物の中に電波が入りにくい場合があり、窓際のベッドでないと通信がきつい場合があるという。カバーエリアも主に都市部のため、僻地などは向かない。

もう一つはメールをする、ネットを見る程度であればY!mobile。これはスマフォで使われる4G回線だ。屋内も強い。カバーエリアもほぼ日本全国。ただ通信上限があり、3日で1GBの通信量を超えると下りが極端に遅くなってしまうペナルティがある。

当初の用途からいくと、家で撮りためた動画を転送しながら見ることであり、今一番見たい大河ドラマ「真田丸」45分、400MB程度の通信はゆうに3日1GBの制限を超える(※)。(1GBの目安はこちら:アプリガイド+より) そのため真っ先にWiMAXが候補となったが、そのサイトでエリアカバーの確認をすると、地形上(建物の密集)、通信状況は「△」。せっかく通信上限なしでも電波の入りが悪ければ意味がない。結局インターネットを普通に見ることも考慮して、Y!mobileの1ヶ月上限のないレンタルプランとした。もう動画は諦めた。

レンタル先は楽天のモバイルゲート。レンタルのために新しいアカウントを作るのが面倒だったので、既存アカウントでサービスを受けられるもので必然的にここになった。

そもそも入院病棟でWi-Fiを利用してよいかという問題があるが、基本スマフォがOKであれば大丈夫だろう。不安であれば病院に聞くのが一番である。私は見切り発車でモバイルルータを持ち込んだが、自分のベッドの机でオフラインでPCを開いていると、担当医が「ああ、じゃんじゃんアクセスしちゃっていいですよー。」と言ってくれた。

おかげでこうやってブログを書いてアップできているというわけだ。

※2016年5月7日追記
私はうっかり持ち込んだMacでのiOSのバージョンアップとiCloudの同期、Kindleでのマンガ購入(マンガはサイズが大きい)を行ったせいで、あっという間に3日間で1GBの制限を超えてしまった。2016年5月1日より現時点で19GB通信を行っている。
またジェイジェイによると、4G回線を使った3回のテレビ電話(計15分くらいか)で1ヶ月7GB制限(ソフトバンク)に引っかかったそうだ。
モバイルルータについては通信量は考慮する必要がある。





さてWi-Fiのモバイルルータを持ち込んだおかげで、助かったことがある。

・ブログのアップ
仕事、家事、育児でずっと書けなかったブログをまとめて書いてアップできたこと。気分がすっきりした。特にこのブログでは妊娠について、大病院での診察1回目のことを書いたきりで、妊婦健診の途中経過を一切書いていなかった。本当であれば前置胎盤がわかった時点で書きたいと思っていたので、この度、前置胎盤から帝王切開が決まるまでを一気にまとめることができて非常に満足した。


・帝王切開体験談の検索
いまや帝王切開で産む人は5人に1人と言われていて、「陣痛のないお産だから楽ね。」なんてイージーなお産のイメージもあるが、切る!お腹を切る!のである。

自分の前回のお産が経膣分娩だったためその大変さも知っているが、産んだあとはケロっとしたもんであった。ところが帝王切開組の人たち。産んだ直後から、それはもうつらそうにバイオハザードのゾンビのように病院内を歩いているのである。なにゆえか。それは血栓ができやすい状態になっているためそれを予防するための措置なんだそうである。他にも授乳室で一緒になる度に、辛そうに「うぐぐぐ」と唸っている。乳を吸われることで子宮収縮が起こるたびに傷口が疼くそうなのである。

川上未映子「きみは赤ちゃん」である程度帝王切開の予習済みであったが、さらにいろんな人のブログに赤裸々に書いてあるのを読むことで、ある程度心の準備ができるというものである。


・帝王切開の手術リスクの把握
主治医から詳細の説明を受けたものの、あとから疑問はいろいろと湧いてくるものである。いざ聞こうと思ってもゴールデンウィークのシフトに入ってしまったため、素人ながらインターネットで調べることで対応することができた。

例えば輸血。デコ母が「兄弟間の輸血のほうがいいんじゃないの?」と提案してくれた。確かに。近所に住んでいる最も親和性の高い私と同じ血液型A+のティエティエとヤマナちゃん。ジェイジェイもA+。B型肝炎などの感染症の危険性はほとんどない(いままで輸血したことがないため)。安心である。

ところがよくよく調べてみると、家族間の輸血は移植片対宿主病(GVHD)の危険性が高いらしい(Yahoo知恵袋より)。改めて休暇明けの主治医に聞いてみると、

「この病院の、というより輸血のルールで、家族間は基本ダメなんです。よほどめずらしい血液型という以外は。」

と言われた。なるほど。インターネット様様である。


・帝王切開日の候補日決め
主治医に、予定帝王切開は、36週から37週の月、火、木のいずれかで行われると聞いていたため、候補日を考えることにした。妊婦健診で知り合った中国人のMさんは、お姑さんの占いにより6月2日押しで、その日を希望して帝王切開予定日を決定したそうである。それを聞いて、私もできるだけ 占いでンを担ぎたいと思った。そうはいっても、候補日はある程度絞られてくるのだけれど。

まず西洋占星術。私が尊敬していた大学の友人が双子座で頭の回転が早く、好奇心溢れ、フットワークが軽かったことを思い出した。こういう軽やかさが欲しいんだよな(ある意味チャラさ)。私は長女長子なので、固い、重い、生真面目なところがある。ある種自分の憧れでもあった。でも結局伴侶には、似た者同士の長男長子のジェイジェイを選んだのだけれど。それはさておき、そうなると誕生日は5月22日以降となる

そして私が人間関係において信頼を寄せる占い「宿曜」。こちらで私たち家族と相性のよい宿を探すことに。特にお腹の子は男の子なので、父親には敵わないと思って尊敬してほしい。そしてお姉さんとなるトゥットゥとも仲良くやってほしい。できれは母親の私にとっては素直で扱いやすい子であってほしい。宿によると頑固ものでパワーのあるジェイジェイ。ドリーミングで繊細なトゥットゥ。ぱっと見穏やかだが負けず嫌いの努力家の私(あえて家族の宿は書かない。個人情報になるので)。自ずと誕生日の希望日順が決まってきた。

ところが主治医によると、予定帝王切開は妊婦の希望日を聞くことはせず、事務的に決まると言われた。先のMさんはというと、たまたま予定帝王切開をする木曜日で、経過順調な妊婦で、38週にあたるため、OKが出たのだろうということだった。うぬぬ。

しかしそれは杞憂に終わり、私が第一希望にしている日が予定帝王切開日となったのである。ラッキー! それより前に陣痛がきたら…それがその子の運命ってことね。


・名前の候補決め
女の子の名前は候補を決めていたのだが、男の子はほとんど考えていなかった。インターネットでも無料姓名判断があるため、いくつかの響きや意味が気に入った名前の候補を入れて、画数やら、陰陽やら、五行()やらを確認した。


以上のように、退屈せずに入院1週間を乗り切ったのであった。





最たる利用方法はテレビ電話であった。会えないトゥットゥにFaceTimeで連絡する。その時、Wi-Fiのモバイルルータを持ち歩くとどこでもテレビ電話ができるのである。ベッドルームでは通話禁止のため、デイルームで電話をかけた。

ところが4月27日(水)、初めてのテレビ電話の日、トゥットゥはテレビ電話で会話が弾まなかった。そもそも私と目を合わそうとしなかった。もしや拗ねているのでは。それは私の長期留守(2日程度だが)で実証済みである(2015年6月10日2014年8月19日ブログ)。

ジェイジェイは言った。

「今、トイ・ストーリーを見ている最中だから、続きが気になるみたいだよ。」

私、トイ・ストーリーに負けたのか。がっかり…。

ところが翌日サチ母からメールがあった。

「あの晩、トゥットゥちゃん大泣きしてね。」

ああ、やっぱり寂しいのか。不憫に思った。すぐに28日(木)の晩、テレビ電話をした。その時はトゥットゥは私の目を見て

「テレビ電話♪テレビ電話♪」

とはしゃいだ。翌朝29日(金)もテレビ電話をした。まだトゥットゥは3歳2か月なので会話らしい会話は成り立たないのだが、テレビ電話を通じて、

「お母さん、鼻触って!」
「お母さん、お目目触って!」
「お母さん、手だして!」

など遊びに付き合ってあげた。うれしそうだった。

ありがとう、Wi-Fiモバイルルータ!