2016年6月24日金曜日

名前に込める願い

赤ちゃんの名前が決まった。「ゴッシュ」。もちろんこのブログで扱うための偽名である。本名を書くと個人特定の情報になるためお許し願いたい。この「ゴッシュ」、英語で「おや、まあ!」の意味があるらしい。なかなかキャッチーな名前ではないか。

私は長女長子であることから、やはり長女長子であったデコ母にお姉さんとしての役割を期待された。それは名前にも現れていて、賢そうな響きと漢字を使った名前が付けられた。そして私の生来の性格、真面目で従順が合わさって、いわゆる「しっかりした子」となった。ゆえに物心ついた時からかけられる第一声は「しっかりした子ねぇ」。決して「可愛いわねぇ」ではなかった。幼心にこれにはかなり根を持っていて、可愛くてちやほやされる子を本気で羨ましいと思っていた。

このことから私は、性格や容貌はともかく、せめて女の子なら名前だけでも可愛い響きにしたいと思った。トゥットゥによってそれを叶えた。名前の意味など後付けである。響きありきだったのである。

ところが、男の子。そこまで強烈な思い入れはなかった。あるとすれば私は知的な人が好みなので、私がそれで影響を受けた人の名前を使いたいというくらいか。例えば美術史学者の高階秀爾さんとか。音楽評論家の吉田秀和さんとか(全集が欲しい!)。指揮者の小澤征爾さんとか。哲学者の竹田青嗣さんとか。「秀」とか「爾」の字を使った名前や「せいじ」という音の名前もある程度一人で考えてみた。

それをジェイジェイに言ったところ、

「俺は賢いとかどうでもいいんだ。それに人の上に立つとかも。」

と言った。ジェイジェイ、インテリじゃないもんなとこっそり思った。自分で夫に選んでおきながらなんだが。彼は元々、私が言うところの知的、アカデミックな知識を持つことにはほとんど頓着しないタイプだ。私はよりたくさん知識を手に入れなければと思ってしまうし、知識を持っている人が偉いと思う節がある。彼は私にとってその刺激ではなく、その肩の力を抜かせてくれる存在なんだった。真逆。

その彼がある漢字を使いたいと言ってきた。ここではそれは差し控えるが、常に伸び伸びとありたい、人として大きくありたいと願う、彼らしい願いを込めた漢字だと思った。

そうなるとあとは吉の字画を考慮して止め字を考えるだけとなった。いくつか候補が上がる中で気に入ったのが2つあった。両方カタカナで書くと外国名対応になったことだ。これから世界で活躍してもらいたいと願うならば、そういう名前も素敵ではないか。ただそんなことを言うとジェイジェイから「世界で活躍するエリートなんてならなくていい。」と言われそうだから黙っておいたが。

最終的に生まれた赤ちゃんの顔を見て決めた。もうこれしかないだろうと。ジェイジェイに提案すると「それにしよう。」と言ってもらった。実はこれ、ある時代のある外国語で「知性」という意味があるということを私は候補の時点で知っていた。私好みの名前になった! やはりなるようになるのだ。これからゴッシュ(偽名だが)、よろしくね。