私は産後ゴッシュのお世話にかかりきりだったため、トゥットゥとのイベントは参加できず仕舞いだった。引率は全てジェイジェイとサチ母にお願いした。ジェイジェイが撮った楽しそうな写真を見るたびに寂しい思いをした。またサチ母はイベントのたびに何かと理由をつけてトゥットゥに玩具を買い与えたため複雑な気持ちになった。我が家の方針、躾の問題である。
そんな折、7月に映画「ファインディング・ニモ」がテレビで放送された。この夏公開の映画「ファインディング・ドリー(以下、ドリー)」のプロモーションの一環のようである。「トイ・ストーリー」などピクサーの映画に馴染みのあるトゥットゥはすぐに食いついて何度も見た。
トゥットゥと映画館で映画「ドリー」を見にに行こう! ゴッシュも生後2ヶ月も過ぎ、母親以外に預けて私がおでかけしてもなんとかやれる目処がついた。私はトゥットゥと外出したかった。ジェイジェイに留守番をお願いすると快諾してくれた。
すでに映画館デビューをしている保育園のお友達は何人か知っている。トゥットゥもその仲間入りするとあって、当日は道中ずっと興奮していた。いざ映画館の座席に座るとトゥットゥは真っ暗な空間、大きな音に怯えた。私たちは身を寄せ合って「ドリー」を見た。母娘水入らずの時間となった。
映画館を出てグッズを見ているとトゥットゥは欲しそうにキャラクターの名前を連呼した。その姿がかわいかった。シール、ビニールヨーヨー、トミカの限定モデル。それでも久しぶりの娘とのおでかけ、普段なら買わないのに、財布の紐が緩んだのは言うまでもない。
私はサチ母の気持ちがわかった。躾が重要とわかっていても、久しぶりの彼女の笑顔の前に買い与え禁止なんて不可能だ。お金でもなんでも応えたいと思う人の気持ちは決して非難できないと思った。みんなトゥットゥが大好き。祖母はそれでいいとしても、私は母親である。もう少し冷静にならないと。