2016年8月22日月曜日

お母さんは怒りん坊

台風9号の影響で関東も大雨となることは天気予報で分かっていた。その時間帯が保育園の送り迎えにちょうど当たることから、二人の我が子の安全を考えてトゥットゥは保育園を休ませることにした。

ゴッシュの授乳と寝かしつけを挟みながらのトゥットゥの遊び相手。実はゴッシュが生まれてからというもの、朝から晩まで一人で二人の子供の面倒を見たことがなかった。これが幼稚園前の兄弟を持つ専業主婦だと日常というのだから頭が下がる思いだ。さてどうしよう。

先日購入したばかりの「トイ・スートリー3」を朝から見た。今日で5回目。何度見ても面白いらしい。真剣に見てくれている間に、私はクッキー作りを思い立った。先週の金曜日に作った生地が冷蔵庫の中で少し余っていたのだ。トゥットゥのために彼女の大好きな「トイ・ストーリー」の抜き型を買ってある。エイリアンと星型。喜ぶに違いない。

昼ごはんを食べた後、トゥットゥをクッキー作りに誘った。やはり抜き型に興味を持って張り切ってクッキー生地を抜いた。ところが私ときたらどうだろう。どうせ作るなら出来上がりが美しくなるような正しい方法を教えたいと思った。私は当に手取り足とり、抜き型の押し方、顔のスタンプの仕方を事細かに指図した。熱が入るあまり少し厳しめな口調になった。

トゥットゥは途端に顔から笑顔がなくなった。そして言った。

「お母さんは怒りん坊だね。」

娘はとっくに見抜いている。その指導が自分のためではなく、娘にそうさせたいと願う母親自身のためであることを。怒る母親は独善的なのである。彼女がクッキーの作業台に戻ってくることはなかった。

母親としては不器用な手付きなりに楽しむ娘を見守らなければならなかった。育児とは待つことだとわかっていても実践できない自分に失望しながら、一人で続きの作業を行った。出来上がりはいつもよりしょっぱいクッキーだった。