2018年7月29日日曜日

おじいちゃんキラー

山口帰省。ゴッシュはというと二度目の山口だ。もちろん一度目の記憶はないだろうが、0歳のまだ頼りない時に訪れた。今年はというと言葉はまだである。物心ついているかもあやしい。トゥットゥには何かしら刺激を受けて成長の糧としてほしいと毎度の滞在の度に長子らしい期待をするのだが、ゴッシュになるとそういう期待も特になく、おじいちゃん、おばあちゃんに顔を見せれば十分、という第二子あるある絶賛適用中なのである。

彼の感情の起伏や行動パターンはかなりわかりやすい。言葉を発さずとも何で怒っているか一目なのだ。そしてだいたい食べ物によって機嫌が直る。よって移動中、機嫌を損ねればジュースで釣る、という大甘やかしな方針を貫いた。家ではさすがにジュースばかり飲ませてはまずいので、牛乳にしているのだが、そのせいでビックサイズの二歳児となっている…、その話はまた今度。

空港でカルピスを買い、それをストロー水筒に入れて機内に持ち込んだ。その様子をじっと見ていたゴッシュはそこにジュースがあると知っていた。飛行機の席に着くや否や

「じゅっちゅー、じゅっちゅー(ジュース)!」

と大騒ぎ。これでは用意したことで騒ぐ原因を作ってしまっただけではないか。仕方なくフライト最初から水筒のジュースを飲ませたり、CAに配られるジュースを飲ませたり、持ち込んだ本や玩具で遊んだり、座ったまま抱きかかえたりして所用時間1時間半をやり過ごしてことなきを得た。





赤ちゃんは声の低い男性を怖がると聞く。声の高い優しいお母さんがいつも接する人であれば仕方のないことかもしれないが、ゴッシュは違う。初対面のおじいちゃんと相性がよかったエピソードは書いたが、実は男の全般、最初から怖がらないようなのだ。保育園でも男の先生が大好きで、真っ先にお膝を占領するらしい。保育園では冗談で「LGBTの心構えが…」と言ってみたものの、もしかするともしかするので、注意深く見守り、受け入れたいと思う。

そういうわけでロミ父との2回目の対面もなんなくクリア。すぐに

「お、じ、い、ちゃん」

と言ってすり寄っていくのだから素晴らしい祖父孝行である!ロミ父もまんざらではないようで「ゴッシュくん」と声をかけて、お膝にのせたり、寝ているお腹に乗せたり、抱っこをしたりしてくれた。こういう姿を見ると子供産んでよかった、親孝行できたと思う私であった。

デコ母は少々嫉妬したようで

「おばあちゃんとはあまり呼んでくれないのね!」

とゴッシュに愚痴を言った。するとゴッシュはすかさず

「おばあ、ちゃん!」

タイミングを間違えない男である。

ゴッシュはこの帰省を機に「おじいちゃんは優しい」と学習したようである。実家から帰ると自分の目に触れる年配男性にすべて

「お、じ、い、ちゃん」

と話しかけ手を振った。小さな男の子に話しかけられて嫌そうな顔をする人は私の住む下町にはおらず、皆「いい子だなあ」と言って頭をなでてくれたり、手を振りかえしたりしてくれた。なんというおじいちゃんキラー。

ジェイジェイはことあるごとに

「こいつ、なんかずるいよねー」

と言うのだけれど、確かにこの媚具合は我々長子組(私、ジェイジェイ、トゥットゥ)にはない可愛さなのであった。結果ゴッシュはさらに人たらしに磨きがかかった帰省となった。