2014年3月26日水曜日

最後のティータイム

Rくんママは誰も知り合いのいなかった新天地の東京下町で私に声をかけてくれた貴重な人である。私はすっかり忘れていたが、彼女によると「○○病院の母親学級でいた人でしょ!」ということであった。トゥットゥが生まれた数日後にRくんは同じ病院で生まれた。縁のある親子であった。そして彼女は生まれも育ちもこの下町だ。近所に親や兄弟が住んでいる。先輩お母さんの知り合いもいる。お店などの地元情報から子育て情報までたくさんの有益な情報ももらった。本当に感謝してもしきれない。

そんなRくんママと今日は最後のティータイムだ。お互いに4月から職場復帰する。保育園も別々になる。春は別れの季節だ。寂しい。小倉山荘の2014年春のお福分けセットを約一年間のお礼もこめて手土産に持って出かける。13時半に訪問を予定していたが、トゥットゥの昼寝が長引いて到着が14時となる。

チャイムを押すが出てこない。携帯電話に事前に連絡したはずだが、部屋を間違えたのか。とたんに不安になる。もう一度携帯電話にメール連絡。3分後にドアが開いた。「ごめーん、洗濯物干してたわ。」 春夏を先取るように素足には真っ赤なペディキュアが塗られていた。訪問最初からとばしている、いろんな意味で面白いRくんママである。

本当は先週訪問の予定だったのだが、Rくんが胃腸炎で倒れて39度8分の高熱が出たため延期となった。日曜日の夜、休日診療の病院に駆け込んでRくんをみてもらうと「検出された菌ですが、魚のすり身を再冷凍・再解凍したときに過熱が足りない場合に出るものですね。」と言われたという。「あちゃー、まんま、そのとおりなのよ! 加熱が足りないって、レンジでチンしただけだったもん。」Rくんそりゃ大変だったね(苦笑)。「もう魚は懲りたわ。だからトゥットゥちゃん残り食べて! これは一度も解凍していないから大丈夫。よく加熱してね!」と言って冷凍パックされて白身魚のすり身を渡された。食中毒の話の後だけに私の頭の中だけに流れる微妙な空気…。でも私はRくんママのこのざっくり感が好きなのだ。ちゃんと加熱して食べさせるよと言ってありがたく頂いた。

Rくんはちょうど昼寝に入るところであったが、トゥットゥが彼の元に猛ダッシュしてベッドマットを触るものだから起きてしまった。子供を交えて保育園の情報交換。特に盛り上がったのは先日自分も地獄を見たシーツ縫いである。直線縫いが長すぎることや、縫い代部分にアイロンをかけたり、名札をつけたり、スナップをつけたりと地味に面倒だと細かい話が出る。

Rくんママはすでにシーツ用の布を1M100円のペラペラ布から500円の布まで3組買ったと言った。いきなり3組も準備するの? 「私の母はまず一つでいいっていうんだけどね。でも母には作ってほしくないのよね。雑なんだもの。6年間も使うもの(シーツ)をお願いすることはできない。だから夫の母に頼んだの。明日来てもらう予定。」 あなたが縫うんじゃないの? 「ん?私?私はきっとRの面倒を見る仕事ね。きっと明日私の手つきを見たらお義母さん縫ってくれるんじゃないかって。ついでに残り二組の布を持って帰ってくれて縫ってくれるんじゃないかって期待している!」 あははは。彼女らしい。

私が彼女がすごいと思うのは、頼み頼まれ上手なところだ。まずは他人に打診してみるものの、無理なら自分でやるという腹の括り方でできている。だからお願いも甘えのようには聞こえない。そして骨を折ってくれた人には精一杯のお礼をする。その逆も同じで頼られたらできる範囲で気持ちよくやってくれる。もちつもたれつが染み付いているのだ。それは彼女のお茶請けのお菓子入れのかごには日本全国の銘菓が入っていたことからもわかった。もらい物が多い、つまり贈答し合っている、「その節はありがとう、またよろしく」というお付き合いができているということだ。東京で見る近所づきあい、これが下町なのかもしれない。

お茶請けにはRくんを連れた強行軍の関西旅行で買ったという赤福千鳥屋のみたらし小餅を出してもらった。「ああッ、賞味期限昨日切れてるじゃーん。大丈夫かな? 食べて、食べて!」 やっぱり彼女だ。ありがたくお茶菓子に頂いて、最後のティータイムを楽しんだ。

東京で頼る身寄りもなく、なるべく一人でできるようにと気を張って生きてきた私だったが、結婚して、この下町に住んで、この育児休暇の一年間、Rくんママをはじめ、サチ母、デコ母、私は人に頼り頼られる心地よさを知った。Rくんママ、今まで本当にありがとう。





トッゥトゥへの気付き
様子Rくんの頭をばしばしと叩く。「やさしくやさしくでしょ!」と叱ると面白がってさらにばしばしと。Rくんは女の子相手をわかるようで、男の子にやり返すようにはせずにずっと耐えてくれていた。ありがとう、君は紳士だよ。
体調ノーうんち。お出かけが楽しかったか。
食事Rくん家でままどおるをひとつペロッと食べていた。