2014年4月12日土曜日

ニアミス100万円

今日はかねてより楽しみにしていた中山競馬場でレース観戦だ。ジェイジェイに競馬を教えてもらってから馬の虜になった私は一度生で馬を見てみたいと思っていた。東京下町=東京東部といえば一番近いのは中山競馬場だ。大きなレースのない日にのんびりと馬を眺めて休日を過ごしたい。これがかねてよりの夢だったのである。ところがトゥットゥが生まれてから外出できるところは限られるため、なかなか休日の行き先として上がってこなかった。それはそうだ。赤子を抱えてギャンブルに行く親がどこにいるかと自分自身に突っ込んだ。

先日中京競馬場で行われたGⅡ高松宮記念をテレビ観戦していて、ふと「本物の馬が見てみたいなあ。」とつぶやくと、ジェイジェイが「中山競馬場に行ってみる?」と声をかけてくれた。私が行きたいと行っていたのを覚えてくれていたのだ。ジェイジェイは早速スマートフォンで中山競馬場の行き方、施設案内を見てトゥットゥを連れていっても問題がないかを確認してくれた。なんと子供用のイベントや遊具もたくさん用意されているようで、親子で行っても十分楽しめることがわかった。もうトゥットゥも卒乳したし、お昼寝のリズムもついてきた。ストローでお茶も飲めるし、ほぼ大人と同じものを食べることができる。外出がずいぶん楽になった。私たち夫婦は行けると判断した。

朝9時に家を出た。京成線に揺られて東中山駅に到着。駅のエレベーターでは競馬新聞を握り閉めた帰り支度のおじさんたちとすれ違った。レースはこれからなのにもう帰るの? 「あー、お勤めが終わったんだね。」とジェイジェイ。お勤め?「今日のレースの馬券を買ったんだよ。インターネットで馬券を買える人ばかりじゃないからね。」なるほど。幾人かのおじさんたちとすれ違いながら駅から歩いて20分。ところどころに畑が広がるのどかな風景に不釣合いなくらいの巨大な施設が現れた。中山競馬場だ。200円の入場券を払って南門より入る。建物の中に入るとそこはいままで体験したことのない不思議な空間だった。

天井が高くてアトリウムのようになっている場所がある。指定席を受け付けるためのカウンター。制服を着た職員がホテルマンのようだ。授乳室やおむつ替えスペースのあるベビールームも完備。吹き抜けのフードコートに複数の飲食店。そして外の競馬場に出るためのいくつものゲート。このゲートに沿って軽食を売る売店やトイレが並ぶ。そしてたくさんの発券機とモニター。これだけ見れば空港のようだ。ただ二点違うところ。馬券を買うためのマークシートを塗るスペース(机)、そして競馬新聞を握り締めた髭をそり残した顔のおっさんたち。一言で言うと「やさぐれた空港」(笑)

そんな中で真っ先に向かったのはもちろん競馬場。最前列までベビーカーを押して行く。すでに第1レースは終わっていた。競馬新聞で予習していた第2レースの馬券を急いで買ってレース観戦。写真を撮ることに夢中でレースそのものは楽しんだとは言えなかった。次こそはパドックに行って馬を見て馬券を買おう。すぐにパドックへ向かう。こここそ最前列に行くと馬を間近で見ることができる絶好の場所だ。土曜の午前中、未勝利馬(一度も1着になったことのない馬)のレースなので混雑というほど混雑はしていないがパドックもなかなかの賑わいだ。最前列に行って家族で馬を眺めた。

パドックで馬を見ると走りそうな馬だということが一目瞭然なのには驚いた。体つき、色艶、気性、機嫌、そしてオーラ。新聞では決してわからない情報だ。今回のような未勝利馬の場合は実力にばらつきがあるので私のような素人でも走りそうな馬がわかったのだが、GⅠ馬は出場自体が実力有りの証拠なので走りそうな馬を見分けるのは難しいだろうなと思った。そもそも今日のように間近に見られるわけではないしね。

結局第3レースでは2着から4着を当てるも1着を外して負け。第4レースもパドックで粘って1着、3着は当てるも2着を外して負け。 後で知ったのだがこういう場合「ワイド」という買い方をすればよかったのだろうが、私の競馬の師匠は穴馬「三連複」狙いのジェイジェイのため、その時はその選択肢はなかった。ジェイジェイはよく言う。「買いたい馬と買いたい馬券は違うんだ。」

私たちは十分楽しんだので第5レースを置いてトゥットゥのために子供広場に行く。そこには大勢の家族連れがいて驚いた。ここは本当に競馬場なのか!? 皆芝生の地面にレジャーシートを敷き、お弁当を広げて楽しんでいる。よお~く見ると家族連れに混じって、学生や会社の競馬愛好会らしき人々、酒盛りをするおっさんたちもいる。どのグループにも共通なのは男性が競馬新聞を握り締めているところ。そしてこの広場の隣には馬券発券機、広場の数箇所にはレース観戦用大型モニター、そしてバルコニーに出るとコースがすぐに見える。やはり競馬場だった…。




私たちはトゥットゥと一緒に遊具で遊び、ふれあい用の馬を見たり、触ったり、写真を撮ったりして30分くらいを過ごす。そのうち12時過ぎになったためフードコートに行って食事をすることに。すぐ第6レースがあると知ったが、トゥットゥのお昼寝時間もあることから食事をして家に帰ろうということになった。鳥千のさくさくのフライドチキンを食べて家路に着くことに。

ふと第6レースが気になって耳を澄ますと配当のアナウンスがかかっていた。「三連単、五百○万円・・・」 は? 100円買って500万円になるの? 側にいたおじさんたちもワンカップ大関を煽りながら「500万円だって、こりゃすげーや。はははは。」と笑っていた。では三連複は?配当が書かれたモニターを見た。「百○万円」 こちらもすごいな。番号は…

…トゥットゥの誕生日の数字だ。

この数字はジェイジェイがいつも100円だけ買っている三連複なのだ。

「ジェイジェイ!」 私はジェイジェイのほうを向いて叫んだ。「買ってないよ!だってジャッキーは午前中で帰るから第5レースくらいまでだって言ったじゃないか。」 えええええ!!二人揃ってこのどうしようもし難い熱を冷ますのに東中山の駅までかかった。そもそも当る宛てのないものだし、惜しくもなんともなく、むしろ当らなくてもよかったのかもしれないという結論に達した。(と二人で強がってみたのかもしれない。)

楽しい中山競馬場デビューだった。





トッゥトゥへの気付き
様子
子供広場では大いに動いていた。つかまり立ちが活発になった。
馬のことを「ワンワン」と言っていた。「違うよ、おうまさんだよ。」と何度も訂正した。
交流用ポニーは怖がって触ろうとしなかった。
体調
やわらかうんち2。
食事
お父さんの料理、エビチリとチンジャオロースーをご飯と共に。ご飯が進んだ。