そのせいで今日は朝からシーツ掛けが必要だった。登園直後、ゴッシュを抱っこして布団部屋へ向かった。そこでは偶然担任の先生が作業をしていて、私に声をかけてくれた。赤ちゃんを抱っこしておきましょうかと言うのでお願いした。その間にシーツを掛けてしまおう。
ところが思わぬ方向に事態が進んでしまう。
「お母さん、ゴッシュくん、クラスに連れて行ってもいいですか?」
一瞬戸惑ったが、きっと情操教育の一環なのだろうと思った。子供は皆、赤ちゃんに興味深々、大好きなのである。それはこの保育園の子供たちを見てわかっていた。私は快く返事をした。
シーツをかけ終わってトゥットゥのクラスを覗いた。先生の抱っこに状況がわからず泣くゴッシュ。その周りには大勢の子供たち。
「わあああ、赤ちゃんだ!」
「誰の赤ちゃん?」
「かわいい!」
「抱っこさせて!」
微笑ましかった。そして急ぎ目線を移してトゥットゥを探した。彼女はこんな時どんな反応をするのだろうか。
「トゥットゥちゃんのゴッシュくんだよー!!!」
人だかりに混じって必死に両手を上げて大声で皆にアピールしていた。シャイな彼女にしては予想外の行動だった。トゥットゥに兄弟を産んでよかったと思った。
ゴッシュを迎えに行くと、トゥットゥは軽く汗ばんでいた。
「トゥットゥ、ゴッシュくんを守ってくれたんだね。ありがとね。今日も保育園頑張って。」
彼女は無言で頷いた。目には何かやりきった光が宿っていた。こうしてお姉ちゃんになるのだ。