「プール休む。」
と言い出した。先々週あたりからトゥットゥは軽い咳が続いていたが、熱はなかった。鼻水が出るようになったが、そんなに体調が悪いとも思えない。
前日、保育園から帰る途中にトゥットゥが大好きなクラスの男の子と会った。肌の色が真っ白である。毎日のプールでトゥットゥはこんがりしているというのに。彼のお母さんによると水がかかるのが嫌でプールを休みにしてくれとせがまれて仕方なく休ませているとのことだった。彼の話を知って自分も休んでみたくなったのか。休ませることにした。
そして次の金曜日、トゥットゥはまたプールを休んだ。保育園でのプール遊びは8月末までで残すところ2回。そう説得したが彼女は頑なだった。
そして今日。月曜日、プールのない日。保育園の帰り道、台風前の生ぬるい風の吹く中、トゥットゥは右耳の後ろを触って
「耳の後ろが痛い。」
と言った。見てみたが傷もないし腫れてもない。風邪をひいているので免疫の残骸でリンパでも滞っているのかもしれないと思った。ところが18時半頃、しきりと耳が痛いと私に訴えた。しまいには顔をしかめて泣き始めた。泣くほど痛いのか?
時計を見た。小児科の診療時間は過ぎたばかりだ。ああ、訴えた時に連れていってやれば。自分を責めた。夜間診療の小児科はあるか。台風が迫る中、ゴッシュを抱えて行けるのか。ジェイジェイが早く帰ってくれれば…と祈るような気持ちで調べ続けた。すると救世主のようにジェイジェイが19時に帰ってきたのだ。
彼に状況を説明してトゥットゥを病院に連れていってもらった。家で待つこと1時間。薬をもらって帰ってきた。鼓膜が腫れているという。中耳炎だ。トゥットゥは痛みは引いたと言ってご機嫌だった。雨の中行きも帰りもジェイジェイに抱っこされていたというのだから。
その晩ジェイジェイは腕の感覚がない、体中が痛いと言った。本当にありがとう。