ゴッシュはクーイングをよくするようになった。喉の奥を鳴らす感じで
「クォー、クォー」
「クォワッ」
と発声する。私も同じようにクーイングで答えると
(お母さんも話せるの?僕の言っていることがわかる!?)
というような驚いた顔をして、さらに豊かなクーイングをする。
「クォォォォル」
「クァッ、クァッ!」
これがかなり楽しい。トゥットゥの時はどうだったのだろうかと育児日記をめくるのだが、彼女はあまりクーイングをしなかったらしく記録がない。ゆえにジェイジェイにもゴッシュのそれが印象的なようで、ゴッシュのことを「クー」と呼ぶようになった。
「クー(ゴッシュ)はクークー(クイーングしているん)だな。」
とよく話しかけては、愛おしそうに抱っこしてくれる。
ところがである。先日の晩、ジェイジェイが居間でトゥットゥの遊び相手をしながら、ゴッシュを抱っこして機嫌取りをしていた。すると聞いたことのないようなゴッシュの声が聞こえるではないか。
「ヴーーー、ギャウッ、ギャウッ!」
どう見てもジェイジェイを威嚇している。「母親じゃない!」という人見知りが生後3か月にして早速始まったのだろうか。ジェイジェイと二人で顔を見合わせて苦笑いした。
そして今日もあの時と同じ状況だった。ジェイジェイに抱っこされたゴッシュはあの犬の唸り吠えのような声を出していた。私はちょっとしたことを思いたった。
「チーム女の子、集まれ〜!」
私はわざとゴッシュの前でトゥットゥと仲良くした。するとどうだろう。ゴッシュの顔がみるみる曇った。眉はハの字に下がり、下唇がぐーっと突き出て、両目からポロっと涙が落ちた。
(僕はそっちのチームじゃないの? 僕はよりにもよって威嚇相手のチーム!?)
そんな絶望したような表情だった。まさかね。
もう一度ダメ押しで私はトゥットゥを抱き寄せて「チーム女の子ー!」と言った。トゥットゥは「イェー!」と大声を出した。トゥットゥは調子に乗って、「お母さん、鼻チューしようよ!」と言って猫のように鼻をすり寄せてきた。
その様子を見て、涙を堪えていたゴッシュは再び目から涙を流した。あまりの可愛さに
「大丈夫だよー。お母さん、ずっとゴッシュ君のお母さんだよー!」
と抱きしめてしまった。ゴッシュ、生後3か月。いろいろとわかる男なのである。