2014年4月23日水曜日

「こいつ」という感覚は溝である

幸運なことにトゥットゥは4月に保育園デビューして今までトゥットゥがウィークデーに体調を壊したことは一度もない。鼻水をたらしてはいるものの毎日元気に保育園に通っている。「驚異的だ!」と会社の先輩お母さんたちに驚いていた。そんなわけでトゥットゥが健康なのをいいことに彼女が具合が悪くて私が会社を休む、または早退するということがあるということをすっかり忘れていた。保育園デビューする前はいろいろとシュミレーションしていたのにね…。

私が新しく配属された新人研修担当グループでは朝礼や夕会の取りまとめなど当番制で回ってくる係も多く、休むと迷惑となる。しかし当番制の場合は誰かに順番を代わってもらうことができる。問題は講師で講義の枠を持つ時だ。その時にトゥットゥの体調不良で休まなければならない、もしくは保育園から呼び出しを受けて早退しなければならないとなると誰かに頼むしかない。まずは夫のジェイジェイである。

今日はじめて研修の一部を担当することになった。それで前日の晩にジェイジェイにもしものことがあったらと話をした。緊急の場合どちらが保育園の迎えに行くかはどこの夫婦も課題となるが、私たち夫婦もその話をする時がきたのである。ジェイジェイはなかなかのイクメンで、とうぜん「ジャッキーがどうしてもの時は俺がトゥットゥの迎えに行くよ。」という快い返答が帰ってくると思っていた。

ところがである。第一声は「…あんたが行ったほうがいいよ。」 は?何を言ってるんだ、こいつ。私は初めて夫のことを「こいつ」と思った。心を落ち着けて聞いた。「なんで?」 するとジェイジェイの返答はこうだ。「あんたは時短勤務をさせてもらっている立場でしょ。会社にとっては我が家庭の一番の子育て要員として認識されているはず。つまりトゥットゥのために会社を休んでも早退をして迎えに行っても大目に見てもらえるってことだよ。けど俺は違う。」 

そんなことくらいはわかっている。それでもジェイジェイの仕事より明らかに優先順位が高い仕事、この場合は講師枠、がある場合に迎えに行ってほしいと頼んでいるだけなのに。「俺とあんたは同じ会社だ。そうすると俺がその度に迎えに行くと、あんたの部署で『ジャッキーさん家はジェイジェイさんがお子さんを迎えに行ってくれるからどんどん講師をおまかせしても大丈夫ね』となるだろう?なんのための時短なんだよ。」と半ばキれ気味に返答があった。

はじめて夫婦に溝を感じた。誰もばんばん講師をやりたい、まかせてくれとは言ってないじゃないか! そう声に出かけた。しかし根本的に何かがおかしいと思った。じっと考えた。別に独身時代のようにキャリアアップを望んでいるわけではない。子育て中はキャリアアップがゆっくりになるのも受け入れている。それでも保育園の送り迎えのために残業できない限られた時間の中で育休明けの仕事をがんばって成果を残したいと思った場合、夫の協力が必要となるだろう。

ジェイジェイはそれを最初から拒否しているのだ。言外に「俺は今までどおりの俺のペースで行く。俺はおまえのゆるやかなキャリアアップにも協力しない。」 夫婦で子育てをしているのになぜ妻だけが犠牲となるのだ。私がおかしいと思ったのはここなのだ。そもそも私はそれを承諾した覚えはない。私の負担がジェイジェイよりは多めなのは承諾しているが、70%:30%くらいの意識なのだから。

「私のキャリアはどうなるの? 時短勤務しているから簡単な仕事をしているとでも思った? トゥットゥを保育園に迎えに行けないどうしてもの時があるってそういうことなのよ。」 私はジェイジェイにそう伝えた。彼は私が静かに怒っていることに気付いたようであわててフォローし始めた。「迎えに行かないとは言ってないよ。いつも俺を当てにされたら困るって話なんだから。」 彼の言い分は単純にそうだったのだろう。私は許すことにした。

ジェイジェイに限らず、男性の考えの根底には「共働きだろうが母親が子育て要員として父親より時間を割かれるのは当然である」という考えがあるのは確かだ。私は、男性と同じように働いて同じくらいに稼いでいるのになぜ?と思う。夫婦で話し合って負担の割合について合意すべきなのにね。ジェイジェイに感じた「こいつ」は、日本の男性全体に感じる溝なのかもしれない。溝はすぐには埋らない。むしろそれを意識しながら戦略的に自分を活かすことを考えなければならないのだろうな。





トッゥトゥへの気付き
様子
気に入らない食事は見向きもしなくなり皿を手で払いのけるようになった。保育士の先生によると、週末熱を出してダウンしたせいで甘えているのではないかということだった。しばらく見守ることになった。
体調
週末の高熱はどこへ行ったのやら。大変元気がよい。うんちも保育園できちんとできたようである。
食事
ハンバーグとコーンスープ。大好物はなんとか食べてくれた。