やはり電車の乗り換えの待ち時間に私たち親がペットボトルでお茶を飲んでいると「こっち」と言って手を伸ばした。前回ジェイジェイがここでペットボトルのPONジュースを買ってあげた気持ちがわかった。今回はこぼしてもダメージの少ないお茶にして、且つこぼれないように細心の注意を払って飲ませた。トゥットゥは満足したようだった。セーラー服へのダメージも胸元の染みだけで最小限で済んだ。
到着したら家に荷物を置いてすぐにタクシーに乗ってお墓参りに行った。小さなトゥットゥがいるからと、すでにサチ母はお墓の掃除も済ませ、義父のお迎えのみという状態にしておいてくれた。もちろんトゥットゥはお墓参りがなんたるかはわからないが、墓石の前で手を合わせることはなんとなくわかっているようで、ジェイジェイに「『なむー』は?」と言われ、手を合わせていた。前回の墓参りではトゥットゥは桶に汲んだ水を柄杓でばら撒き散らして遊ぶという凶行(?)に出て、サチ母を困らせたようだ。今回も水を見つけて触りたがったが
「おうちに水遊びの道具、たくさん用意しているのよ!」
とサチ母はトゥットゥを諭して、桶の水だけは触らせないようにした。お父さんをお迎えして家に帰るとビニールプールや水遊び道具がたくさん用意されていた。
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最近、トゥットゥは自我が強くなり、意志をこめて、粘り強く泣くようになった。8月に入りジェイジェイが丁度仕事におけるプロジェクトとプロジェクトの谷間ということで19時には家に帰ってくるようになった。わがままを聞いてくれる人が夕飯時にいるということで、その傾向がますます強くなったようだった。私だけだとここまでごねることはない。そして今回サチ母というもっともわがままを聞いてくれる人がいるということで、どういったことになるだろうと心配していた。要望を聞いてくれるということで、もしかするとごねずに済むかもしれないと楽観的に考えようとした。
しかし墓参りから帰ってきたトゥットゥは最初から飛ばしていた。
「こ、この家は、前回(6月)きたところではないか。
二階でおばあちゃんとゴー(飛行機)をたくさん見たところではないか!!」
そんなことを思い出したのだろうか。早速目を離した隙に一人で二階に上ろうとしていた。私たちはすぐにお昼ご飯だから居間でおもちゃ遊ぼうと説得したがダメだった。サチ母は昼ごはん準備で手が離せなかったので、私がトゥットゥの要望に応えようと階段のぼりを補助しようした。しかしすぐに手を払いのけられた。どうもおばあちゃんがいいらしい。やってきたサチ母に抱っこをせがんだ。
「どうぞッ、どうぞッ!」
かなり強い口調だ。しかし何かをくれるわけではない。そういえば最近ジェイジェイにも「どうぞ。」とシャウトしているのを見た。ジェイジェイも何をくれるのかと期待したそうだが、何もくれずに叫んでいるだけだった。
「階段は危ないから扉閉めて、ここ(居間)で遊ぼうね。もうすぐご飯だよ。」
サチ母はトゥットゥを抱き上げてやさしく言った。するとトゥットゥは締められた扉の向こうを見ながらこういった。
「バイバイッ、バイバイッ!」
そしてお決まりのようにすぐにぎゃあああああと泣いた。ああ、これは外に連れていけと泣いて要求を通した後、再び家に帰ってきて玄関扉を閉めると出る「バイバイ」→「大泣き」のパターン一緒だと思った。
「どうぞ」は周りの大人が自分にものをくれる時に遣う言葉だ。すると「どうぞ」と言うことで、「『どうぞ』をやって!」、つまりそれをちょうだい、それをやって、というお願いだとトゥットゥは思ったのではないか。これは英語の命令形で言う、まさに「Please(どうぞ、○○して下さい)」である。
「バイバイ」は、人と人がお別れする場面で使っているが、彼女にとってはバイバイの言葉を発する状況から「お別れするのが残念。寂しい。離れたくない。」と感じとったのだろうか。今回はどうやら離れたくない場所に向かって言っている。「その場所から離れたくない」ということだと推測できた。
トゥットゥもずいぶん単語が出るようになってきたが、まだ大人の言ったことを真似るレベルだ。今日も早速「ハピターン!」とお菓子のハッピーターンという単語を覚えていたし。どんどん世界を認識する力は増えている。そのような中でよく観察をすると意思を紐付けて言葉を使うようになっていることを知った。今までは全て「こっち」という言葉と泣き声だったのが、意思を伝える言葉が2単語も増えているではないか。立派な成長だと思った。
そして成長とは…人間として相手をしなければならないレベルが上がるということで、面倒くささとセットなのである。結局サチ母は昼食作りの手を止めて、トゥットゥと飛行機を見に二階に上がった。私は昼食作りをバトンタッチした。お母さん、すいません…。
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トゥットゥへの気付き
様子
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◆「ちょっと、ちょっと」と言って肩を叩く技を見につけた。サチ母とジェイジェイが「自分こそが教えた」と言い合っていた。母親としては「私を差し置いておまえら…」と複雑な気分。
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体調
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調子よし。うんちも小さなものがこまめに出るようになった。
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食事
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早起きして早々に食卓に着きたがる。そして冷蔵庫を指差し朝ごはんを所望。どうしてこういう子になった…。
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