忙殺された誕生日になるとはもちろん前もって予想でなかったジェイジェイは、私のために11日(土)の夕方にレストランを予約してくれていた。たまにはトゥットゥ抜きで夫婦でゆっくりイタリアンでもいただこうではないかということで、わざわざサチ母を子守に呼ぶ算段までつけていてくれた。ありがたいことである。しかし当日がきても、特別な一日と盛り上がることはできなかった。なぜならまさにこの朝、トゥットゥのジスロマックの戦いの火蓋が切って落とされようとしていたからだ。
結果的に午前中は病院を2件はしごして、ジスロマックの戦いの幕を引き、その後サチ母を迎え、夕方に備えた。トゥットゥが病気なので気持ちがそわそわするが、ジェイジェイの心意気に気持ちよく応えたかった。17時半にレストランを予約しているので、それまでに誕生日プレゼントを買いにいこうということになった。今年お願いしていたプレゼント。それはメガネである。
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私の視力は右は0.3、左が0.2くらいで、慣れ親しんだ環境ではメガネを使わない。初めての場所に出かける時や、旅行や美術館や映画館と言った見ることを楽しむ時に使うだろうか。このときはむしろデイリーのコンタクトレンズを使うくらいだ。日常生活、通勤や会社はほぼ裸眼。使うのは会議のホワイトボードや画面を見る程度。メガネのデザインもオールマイティの黒縁と顔なじみのよいカーキのセルフレーム。毎時の必需品ではないことから、物持ちもよく、10年以上同じものを使っていた。
ところがそれがトゥットゥにより破壊されたのだ。自分で買うこともできたが、先代のように10年も使うものであれば、ジェイジェイに記念に買ってもらったほうがありがたみも増すだろう。そう思ってプレゼントにお願いした。
12時過ぎにやってきたサチ母にトゥットゥをお願いして、15時くらいに家を出た。以前夫婦でサングラスを作った眼鏡屋さんへ行った。私の誕生月500円割引クーポンが送られてきていたからというのもあった。
欲しいのは義妹のユキちゃんが身につけているようなおしゃれ上級者用アラレちゃん眼鏡だった。つまり顔を大きく覆う黒のセルフレーム。一見ダサいのだが、その抜け感が全身キメた時の外しに実にいいのだ。現にユキちゃんのような小顔のモード系おしゃれさんには大きめなフレームのリラックス感がよく似合っていた。
しかしいざ自分がつけてみると…、なんだろう。このダサさ。確かに今日の格好が日本橋レストラン仕様のコンサバだから似合わないというのもある。この眼鏡の基本服はモード系かアメカジ系でないとダメだ。しかしそれだけではない。私は顔がデカく且つ面長なのだ。強調される顔。間延びする顔。あかん…、これは。
大人しくスクエアのセルフレームを選ぶことにした。スポンサーのジェイジェイに相談しながら決めた。個人的にはDolce & Gabbana(ドルチェ アンド ガッバーナ)の弦の内側にオレンジのネオンカラーの入った黒フレームが気に入った。自分のやや前衛目ないつもの会社の着こなしに合うと思った。しかしジェイジェイが「これはどう?」と勧めてくるのは、顔なじみのよいベージュやブラウンのフレームだった。男性はやはりコンサバがいいのよね…と納得した。
その中でジェイジェイが一番最初に選んだ、「ショーヘー!(笑福亭笑瓶)」と私が思わず叫んでしまったagnes b.(アニエスベー)のフレームがあった。ショーヘーと言うとおり黄色のフレームだ。「お笑いになるよ!」と言いながら掛けたが意外といいと思った。それは裏側が黄色いだけで、表側はキャラメルブラウンだからだった。お互いに気に入ってこれを買うことにした。よかった、素敵なフレームがあって。
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眼鏡のレンズを作るのに視力検査をした。視力検査を担当してくれた女性店員が次のように言った。
「失礼ですが、おいくつですか?」
おいくつ?視力が? 眼鏡屋さんで愚問だろう。現に今測っているではないか。ああ、もしかして歳のことか。
「39歳になりましたッ (`・ω・´)キリッ。」
「皆様、35歳過ぎから老眼がすこしずつ入りまして、あまり矯正視力を上げすぎますと、手元に焦点をあわせた時に見づらいのです。ですから矯正視力を0.9から1.0の間に設定させていただきます。」
一瞬耳を疑った。老眼? 私が老眼??
「私が老眼ですか?」
「はい。お客様も少し老眼が入っておいでです。」
私の顔は引きつっていたと思われる。女性店員は少し困ったような、哀れむような顔をしながら、矯正視力1.2の世界と1.0の世界を体験させてくれた。その際、手元の新聞記事に目を落とすように言われた。確かに矯正視力1.2、手元がぼやける。そうか。私は普段裸眼の0.2の世界なので、手元に焦点を合わせるのはなんてことなくて気付かなかったのだ。
「遠くに、近くに目の焦点を合わせるというのは、目の筋肉を使うということです。老化というのは筋肉の機能が落ちることなのです。目の場合はまずはすばやく焦点を合わすことが難しくなります。そのうち焦点を合わすこと自体が難しくなります。」
老化。筋肉の衰え。老眼の世界にようこそ。39歳という歳を思い知った一日だった。
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トゥットゥへの気付き
様子
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サチ母だけでなく、午後からエミィさん夫婦が遊びにきて、私たち夫婦の留守を守ってくれた。トゥットゥは「エミたん」「フーたん」と言って義妹夫婦ともよく遊んだようだ。別れ際には寂しくて、バイバイをせずにそっぽを向き続けたそうである。(サチ母談) 本当に好きな証拠である。(バイバイしようとしないトゥットゥ)
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体調
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病気による不安から抱っこ魔で、サチ母へ預けるのはどうなることかと思われたが、さすがに大好きなおばあちゃん。抱っこ対象が変わっただけで済んだ。お義母さんすいません。
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食事
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今まで病気で食が進まなかったが、一気に食欲盛り返し。サンマを焼くと「さかな、さかな」とせがんで一尾を食べたそうな。スゲー。
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