2014年11月26日水曜日

帰省2014(寝室の恐怖)

前回からの続き。

<ターくんの誕生プレゼント>
甥っ子のターくんが12月18日で1歳になる。1歳は誕生日の中でも特別だ。私もトゥットゥのために両親とサチ母とヤマナちゃんを招いて盛大にお祝いをした。そしてターくんの誕生日、デコ母は頭を悩ましていた。ターくんに何を贈ればいいのだろうと。トゥットゥの場合は初めての節句が重なったため多くのお金をもらっていた。だからこの時はプレゼントの品をわざわざ考える必要はなかったのだ。ターくんにもお金を送るという手もあるが、デコ母はもっと記念的な何かを考えているようだった。


私は「『フォーゲル』の知育おもちゃでいいんじゃない?」と言った。弟家族は北欧系インテリアが好きで、部屋は白木の明るい雰囲気なので、ドイツの知育おもちゃなどはその雰囲気に合って丁度よいと思ったのだが、デコ母にとっては決定打にかけるようだった。

いっそ「1歳、誕生日、記念」でインターネット検索をしてみて、プレゼント候補を探すのはどうか。すぐに多くのサイトがひっかかった。トゥットゥがお昼寝中にデコ母と一緒にインターネットを探して、二人がピンときたもの。それがウィリーバグのみつばちだった。これならあの家の雰囲気にも合う。ターくんが乗り回している姿が目に浮かんだ。私も欲しい…。ってか私も乗りまわしたい。




一番の心配はキャスターで床の板が傷つかないかということだったが、Amazonの評価も問題ないようだ。私たちは誕生日ぴったりに届くようにもう少し後で購入手続きをしようか迷ったが、クリスマスプレゼントで売り切れてしまうことが懸念され、すぐに買うことにした。気に入ってくれるといいな。


<闇に向かって話すトゥットゥ>
トゥットゥの偉いところは、仏壇に「なむー」と手を合わせられることだ。千葉のおじいちゃんは彼女が生まれる前に亡くなっているので、会えるのは仏壇だ。そのためサチ母の家に遊びに行くたびに仏前で手を合わしている。同じ要領でトゥットゥは神社でも拍手を打ってお参りすることができる。毎朝私がお稲荷さんにトゥットゥの無事をお祈りするので、それを見よう見まねでするようになった。ジェイジェイからは、仏壇も神前も「なむー」と説明を受けているので、とにかく手を合わせるものだと思っているのかもしれない。

さて、私の実家の客間には簡易的な神棚がある。この神棚は私の母方の祖父(つまりデコ母の父親)が設置したものだ。いつからあったものかは覚えていないが、私が幼稚園当時、この家を建てるときに祖父が大麻を振り地鎮祭らしきものを行ったことを覚えているので、おそらくこの家が建ってすぐだろう。祖父の家には立派な神棚があり、毎朝祝詞を上げてお参りをしていたのとは異なり、私の家は毎朝というわけではなかったが、折に触れて手を合わせ、お正月にはお酒や松を置き、大切にしてきた神棚と神様だった。

にもかかわらず、私は帰省してから手をあわせることはなかった。その神棚があるのが客間ということで滞在中はそこに布団を敷いてもらったにも関わらずだ。私自身、神棚自体が当たり前の景色すぎて、インテリアだと思っていた節がある。

明日は東京に帰るという晩。トゥットゥを寝かし付けるために私たちは客間の布団の上にいた。トゥットゥは相変わらず寝ようとはせず、布団の上を行ったりきたりして遊んでいた。すると布団の上に座ったかと思うと神棚に手を合わしたではないか。確かに神棚は社に似ているよね。わかるんだなと感心した。そう思ったと同時に自分が帰省して一度も手を合わせてないことに気付いた。そこで私も布団の上ではあるが改めてきちんとした作法で、挨拶が遅れたことのお詫びと無事に帰省できたことのお礼を言い、明日は無事上京できるように祈った。トゥットゥは私のそれを見てもう一度拍手を叩いて手を合わせた。

そうしてトゥットゥに寝ようと声をかけ、私は横になっていた。すると急に部屋の天井隅からラップ音が鳴った。

うわッ!

宿泊最終日にこれか!?今までなかったのに。私は思い当たった。きっと私の祖父だ。神棚を置いた祖父だ。2013年1月に亡くなったので、ここに来てもおかしくない。私の無礼を注意しているのだろう。本当に申し訳ないことをした。少し怖かったが、祖父であれば悪いものでもあるまい。そう思ってトゥットゥに再度寝ようと声をかけた。

トゥットゥは私の様子は気にせずにやはり布団の上を行ったりきたりしていたが、布団に足をとられてコケそうになった。そこで私は「気をつけて」と声をかけた。すると、トゥットゥが私に背を向けて立ち止まって、誰もいない空間に向かって

「気をつけて!」

と行ったのだ。それはラップ音の鳴った方向だった。そしてトゥットゥは私のほうを向いて一人言を言い始めた。それが長い、長いのだ。意味は一切わからない。眼が笑っている。マジで怖い!

「トゥットゥ、早く寝ようよー。お母さん怖いよー。」

本気で娘に泣きついてしまった。そしてラップ音はもう一度同じ方向から鳴った。その記憶を最後に私は眠ってしまった。

今思い出してもこわいー!