2014年12月23日火曜日

ターくんの誕生日

1歳の誕生日は特別だ。トゥットゥの2月の誕生日も山口から私の両親を呼び、妹ヤマナちゃんも呼び、もちろんサチ母も呼んで盛大に行った。(両親に関して正確に言うと12月に誕生した内孫のター君を見にきたついでである)。私は家にとってあった包装紙やリボンを使い旗を作り、ヤマナちゃんには捨てる直前のダンボールや折り紙を使ってバースデーボードを作ってもらった。そうして若干貧乏くさいが飾りつけした部屋はにぎやかになり、トゥットゥはそこで一升餅を背負い、その成長を祝ったのだった。

さてその特別の日が甥っ子のター君にもやってきた。デコ母は最初一升餅とプレゼントを贈ればよいと考えたようだが、ター君は仮にも跡取り長男の息子。何かこちらの家に責任があるのではといてもたっても居られなくなったようで、電話があるたびに私にどうしようかと相談してきた。そのうち、ぜひお祝いに来て欲しいと弟夫婦からお誘いがあったようで、ウキウキで東京に来ることとなった。最初からその最適解に気づいてアドバイスすればよかった。私としたことが。





12月某日。ター君の誕生日はティエティエ夫婦、栃木から来たユキちゃんのご両親、そしてデコ母、早めの休暇に入ったヤマナちゃんが勢ぞろいし、お昼に近所のおすし屋で寿司を取り、一升餅イベントをして、盛大にお祝いをしたそうだ。私たちはと言うと、平日のため私とジェイジェイは仕事、トゥットゥは保育園と日中参加できないため、保育園帰りの夕方に合流しようということになった。

ところがである。この大切な日に限ってジェイジェイは二日酔いでダウン。会社を休んだものの、肝心の夕方までに復調することはできなかった。前日は帰ってくるなり私に「ジャッキー、気持ち悪いよー。」と情けない声を出し、何度もトイレに駆け込んではエロエロエロという音を立てて吐いた。こういうときの心理とは面白いもので、さーっと冷めるのが自分でもわかった。「引く」というのはこのことだろう。そしてこういう晩をあと何度か繰り返したら離婚だな、と本気で思った。自分は冷たい人間だなと思ったが、この時本当に心が冷えた証拠だろう。

後でジェイジェイと同席した人に探りをいれたところによると、ジェイジェイは気心の知れた同僚との久しぶりの飲みはずいぶんと楽しかったらしく、飲むピッチが早かったそうだ。ジェイジェイは普段はこんなに飲まないし、男性は「男は敷居を跨げば七人の敵あり」と言うことは自分が仕事をしていても感じることから、心置けない友人というのは貴重だと思うので、今回は許すことにした。しかし、いい大人なんだから吐くまで飲むのはやめてほしいよ、まったく。

さて話は横に逸れたが、ジェイジェイもさすがに自分の失態が恥ずかしかったらしく、ター君の誕生会不参加にあたり、「残業ということにしておいてほしい。お詫びに何かを差し入れてほしい。」と携帯メールに連絡があった。私はジェイジェイ代行で花束を買い、あらかじめ用意しておいたプレゼントの本を持って、トゥットゥを保育園まで迎えに行き、その足でター君のお祝いに向かった。

お祝いに用意した本は「だるまさんシリーズ」。0、1歳児のキラーコンテンツといううわさはかねがね聞いていたので、ター君がまだ持っていないことを確認して購入した。トゥットゥも区の0歳児クラスの頃から大のお気に入りで、保育園に入っても保育士に読んでもらっている本だ。保育園には読み聞かせ用に紙芝居のように巨大な「だるまさん」本があり、それを見るたびに私の手をひっぱって行き、

「だるましゃーん」

と紹介してくれるので、よほど好きなのだろう。ター君も気に入ってくれるといいな。





ター君の家に行くと、皆勢ぞろいしていた。誕生日のプレゼントがたくさん置いてあった。ティエティエ夫婦からは知育玩具ボックス、ユキちゃん両親からはアンパンマンのお絵かき台、ヤマナちゃんからは動物園デュプロ、デコ母からはハッチ(ウィリーバグのみつばち)。それらによって場が華やいでいた。

そして壁にはたくさんの飾りつけがしてあった。旗に風船にポンポン(紙の花)、カラフルな"HAPPY BIRTHDAY"をかたどった文字。カラフルでありながら、まとまりのあるトーン。色のセンスがよいではないか。さすがおしゃれ夫婦だけのことはある。トゥットゥの時の貧乏くさい飾りつけとは違う!それを褒めるとユキちゃんが、

「トゥットゥちゃんの1歳お祝いの写真を見てハードルが上がったのよ。ちゃんと飾りつけやらないとって。」

と言ってくれた。うちはクラフトマン・ヤマナちゃんの手作りバースデーボードがレベルを高めたのだろうと思われる。Amazonで飾りを買い揃えようともしたが、自作できるよねと妙なテンションになり、結果貧乏くさくなってしまったのだ。育休中だったが故に、育児以外にとにかく何かをやりたくなる病にかかったとしか今となっては思えない。

ユキちゃんの話によると飾りは主に100均だそうで、そこにグラフィックデザイナーのティエティエの技、ユキちゃんのセンスが加わり、このように素敵な仕上がりになったようである。そして忘れてならないのが、飾りつけを手伝った誕生会参加者の皆さん。デコ母は風船を膨らますのが大変だったと笑いながら言った。みんなで飾りつけ。1歳の誕生会らしくていいなと思った。

私たちが後から合流するために、ケーキのろうそく消しのイベントを残しておいてくれていた。大人のケーキは近所の美味しいケーキ屋のホールだが、ター君のものはヨーグルトクリーム(一晩水気を切ったもの)と食パン、飾りに果物とぼうろを使ったユキちゃん特製ケーキだった。ター君は改めて蝶ネクタイをして席についた。皆でハッピーバースデーを歌った。ろうそく消しは父親のティエティエが行った。最後に皆で記念撮影をした。

みんなが集まって、ター君を祝う。なんていい日なんだろう! お祝いというのは、相手を祝っているようで、実は幸福な空気を分けてもらっているのだということがよくわかった。






トゥットゥへの気付き
様子
ター君の誕生日プレゼントで遊んでご満悦。帰りに飾りつけのぷうせん(風船のこと。トゥットゥはそう呼ぶ)をもらってご満悦。
体調
毎日少しの下剤で効くようになった。
食事
ター君は当面甘いもの禁止だという。糖は麻薬的だからね。だから特製ケーキだったのだが、トゥットゥはと言うと1歳誕生日から普通に大人の生クリームケーキを食べていたような…。どうりで太りますわな。
この日も大人ケーキを1ピースペロっと食べる。それでも足りなかったらしくユキちゃんからター君ケーキの飾りつけのあまりのバナナやいちご、ぼうろを食べていた。