記念日は私よりもジェイジェイのほうがよほど熱心なのは知っていたが、3回目の結婚記念日を迎えた週末に自分がコース料理を振舞うと言い始めた。半分あてにはしていなかったが、私の予想を覆すように、前日にはいろいろな材料を買ってきて、当日の朝から仕込み始めたのでびっくりした。
「フランスパンがいるんだけど、どこで買えばいい?」
とジェイジェイが私に尋ねてきたので、その気合に応えようと、土曜日に美味しいパン屋まで遠征して、私がフランスパンを仕入れた。
出来上がった料理は…葉物野菜のテリーヌ。海老とマッシュルームのアヒージョ。そしてローストビーフ。先日ヤマナちゃんの結婚祝いで購入時に我が家用にも一緒に買ったばかりのバーミキュラが大活躍だった。そこにジェイジェイの準備したテーブルワイン。私の買ったフランスパン。それはもうとても美味しかった。
料理が生活(日常)になっている私は、なるべくなら面倒(料理)から逃れたいと思っているので、こういったもてなしは無理だ。もう外に食べに行こうとなってしまう。その点ジェイジェイは料理は非日常なのだろう。こうして非日常として特別な料理をしてくれる人がいるのは本当にありがたい。こういった特別感のある恩恵にあずかるには、妻としてこれから先もジェイジェイに料理は非日常であるようにしてあげることか…。しかしそれでは共働きをする自分の首を絞めないか。なかなか悩ましいところである。
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そんないい思いをさせてもらった土曜日であったが、日曜日、また3月下旬より再々夫婦間で勃発していた喧嘩(?)が再燃した。
ジェイジェイは、積極的とは言わないまでも、従来の整理整頓好きの気質から、流しに洗い物が溜まっている状態になると手伝ってくれる。共働きにとっては、本音は「共働きなんだから『手伝う』などと腑抜けたマインドだと困るんだよ。半分はお前の仕事だ!」と思っているので、夕飯を作らないのなら洗い物くらい当然と思っている。しかし半面「やはりキッチンは女の城。私が主で回さなくてどうする。」と気負う部分もあり、自分の相反する思考に戸惑いつつも、結局、基本キッチン周りの仕事は私がやっている。
この日も夕飯を食べ終わり、流しに食器を置いていった。そして洗い物をする間もなく、そのままジェイジェイとお風呂に入ったトゥットゥの補助。流しには食器が積みあがったままだった。そこにジェイジェイが風呂上りでお茶を飲もうと思ったのかキッチンに行った。流しの中においてあったコップを取ろうとして、同じく置いてあった包丁に目がとまった。
「また包丁。すぐしまえって言ったじゃないの。」
ジェイジェイの小声が聞こえた。まただよ。私に面と向かって「ねえ、ジャッキー。」と声をかけてくれればいいのに、ブツブツと独り言の文句を言う悪い癖だ。
こういったことが3月下旬から多発したのだった。原因は私が仕事に忙殺されて家事がおろそかになり、ジェイジェイがカバーしてくれたことによる。家事をしてくれているジェイジェイの小声に耳を澄ますと、どうも私のやり方にケチがつけられているようだった。しかし私は、ジェイジェイは私の代わりに家事をやってくれているのだからと、ずっと聞こえないふりをして我慢した。
しかしそんな状態が続いて、面白いわけがない。私はキれた。一つはBlogにも書いたがお花見の拒否だ。仕事で忙しくて精神的に参っているのが一番の理由だったが、私を非難するような人の企画に協力したくないと思ったのだ。
そして私は4月1日の結婚記念日に越塚のベリーハムを食べながら言った。
「家事をやってくれるのは嬉しいけど、小声で文句言うのはやめて。自分の仕事にケチつけられてつらい。文句言うくらいなら家事はやらないで。」
「…おれ、いつも小声で言っちゃうんだよ。癖なんだよ。」
ジェイジェイは「ごめん。」という言葉は出さなかったが、反省しているようだった。しかし反省だけなら猿でもできる。行動できるかが問題なのだ。これから先私の家事にまた文句を言われるのも嫌なので、これを機に聞いておいた。何が不服なのかと。すると3点出てきた。
1.食べ終わった食器はお水に浸して
2.食べ終わったらテーブルを拭いて
3.包丁は使い終わったらすぐにしまって
おまえは姑か!サチ母でも言わんぞ、そんなこと。反論させてもらう。
1.お水に浸す桶がない。ゆえに浸けることはできないが、お水で汚れをさっと流してから流しに置いている。食器に水が溜まった形跡がないものもある。
2.流しの食器を片付けないと、台拭きを濡らして絞るスペースがない場合が多い。よって食器を洗った後にテーブルを拭いている。
3.調理用具はなるべく調理中に順次洗って片付けている。しかしトゥットゥの食事を刻んで盛り付けて出す場合包丁を使う。そして私が皆と一緒に食卓について食事をしたいため、包丁の片付けは後回し、食器と同じタイミングでよいと考える。
しかしこれが気に入らないのなら、
1.わかるように食器に水を張っておく。
2.何を置いても最初に拭く。
3.なるべくすぐにしまうが、流しに包丁を置くくらい許してくれよ。サチ母だって流しに置いていたぞ。
ということで私のほうも文句を言われないように努めることになった。
その矢先の3である。
「何かあったのー?」
すぐに私は大声でジェイジェイに聞いた。すると流しでの包丁の置き方も悪かったらしく、包丁の刃がこちらを向いていたと騒いでいる。ほんと、こいつは…。戦国時代に刀で切られて死んだ武士とでも思わないとやっていられないと思った。その時は私は謝ったが、考えれば考えるほど腹が立ってきた。私が洗い物をするのだから、そもそも流しに近づくなよ。コップは新しいのを使えよ。この日はそれ以降、ジェイジェイと一言も口を聴かなかった。
次の日、朝、ジェイジェイが私のご機嫌を取るそぶりをした。私が昨晩機嫌を損ねたのがわかっているのだ。
「土曜日はとてもよかったのに、日曜日の些細なことでダメになる。人間関係ってそんなもんだよね。」
と嫌味を言った。彼も苦笑いしていた。
私たち結婚3周年。ロミ父&デコ母の40周年がどれだけまぶしいか。積み上げるのは遥かに長く遠く、壊れるのは一瞬。3周年なんてまだ基礎固めかもね。
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トゥットゥへの気付き
様子
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娘がおならをした後、口元に人差し指を当てて「しー」と言った。誰に習った、誰に!?
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体調
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便秘は相変わらずだが、健康。他の子たちは結構バタバタと倒れて、保育園を休んでいるのに。
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食事
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甘えん坊モードで家でも親がご飯を食べさせている状態が続く。
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