2016年9月19日月曜日

仲間はずれとまではいかないが

朝、9時頃に保育園にトゥットゥを送っていくと、クラスメイトのYちゃんがお母さんに手を引かれてやってきた。Yちゃんはいつもオシャレな服を着ていて、時々家のお人形を保育園に持ってくる、穏やかで優しそうな子だった。お母さんは下駄箱前に到着するなりしゃがみこんで、目に涙を溜めたYちゃんの背中に手を回して慰めた。先生はその様子を見逃さなかった。

「Yちゃん、どうしたの?」

Yちゃんのお母さんによると、Yちゃんはお友達にものを貸してもらえなかったり、意見を聞いてもらえなかったり、仲間はずれとまではいかなくても、悲しいことがあるのだと言う。先生はそう言ったやり取りに気がつけば子供たちの間に入ると約束してその場は納まった。

そろそろ子供の個性がぶつかるようになってきたか。先日トゥットゥもこんなことを言っていた。

「お医者さんごっこの仲間に入れてもらえなかった。」
「なんで?」
「トゥットゥがAちゃんの言うこと聞かなかったからだって。」
「悲しかった?」
「ううん、悲しくないよ。他の遊びをするから。」

親の言うことも馬耳東風なところがあるマイペースな彼女のことだから、相手の要求通りに動くということは考えにくい。そうなると気が強い相手の場合、一緒に遊ぶのが面白くなく、仲間はずれにするのかもしれない。しかし全く意に介していない風なのもトゥットゥらしかった。保育園に迎えに行くと一人で黙々ブロックを作っていたり、恐竜図鑑を見ている姿に納得した。

「子供たちはわざと意地悪しているわけではないんですけどね。」

とはYちゃんのお母さんに向けた先生の言葉。子供は自分の要求を通したいだけなのだ。それで犠牲になる子のことなどまだ考えられないのも事実。Yちゃんはおそらく感受性が強く、優しい分、悲しむことも多いのだろう。

今後、トゥットゥの世界はもっと複雑な人間関係になっていくだろう。その時、思い通りにいかないからと徒党を組んで意地悪をするような器の小さな人間になって欲しくない。譲り譲られ、駆け引きを覚え、少々の損でも動じない、時を待ち、後で得となって戻ってくるのを待つ、そんな人間になってほしい。

親の私ができること。他のことに目を向けるなど、「時を待つ」方法を教えてあげることか。