実はゴッシュの名前を考えている時、「マサハル」という音が候補に挙がった。それでインターネットで「ハル」の字を調べていたら「榛」にあたった。そこから「榛名山」「榛名神社」を知った。Google検索で表示された写真は、澄み切った空に美しい湖、そこに映る美しいなだらかな曲線の山。榛名富士とも呼ばれるそうで、柔和な佇まいが印象的だった。この山の名をもらった戦艦「榛名」の活躍ぶりや、「榛(はしばみ)」の豊穣のイメージから、大変気にいったのだが、最終的にはこの字を使った名前はゴッシュには付けられなかった。しかしそれ以来ずっと気になっていて、一度榛名神社を拝んでみたいと思っていたのだった。
群馬旅行初日。ジェイジェイによるレンタカー運転で関越道を走っていると大きく盆地で開けた場所が現れた。高崎だ。ここは高速道路、新幹線のハブの都市であるが、昔も交通の要所だったようである。左手の山には有名な観音様が見える。晴天のせいもあってか、盆地全体が抜けるような明るい空間となっていた。盆地でこの清々しさとは!山の神々に守られている空間なのかもしれない。私はなぜだか一瞬で高崎市が気に入ってしまった。
このICを降りて榛名神社に向かう。榛名神社の住所は「群馬県高崎市榛名山町849」と高崎市なのである。到着すると門前からすでに大勢の観光客でにぎわっていた。この雰囲気はかつて行った山の神社、長野の戸隠神社にも近いが、食事処や土産物屋、宿坊の数は少ない。全体的にこじんまりしている。
参道入り口の太鼓橋を渡ると、参道はずっと沢の淵となっていることがわかった。水の流れる音が絶えず聞こえる。緑のトンネルを通る。戸隠の背筋を伸ばしたくなるような気とも違い、優しく清々しい気に満ちていた。それは肌の奥、細胞がきれいな形に整形され、清水に満たされるような感覚とでもいおうか。ゴッシュをずっと抱っこしていたが、それも気にならないくらいのパワーチャージが常にされていた。
約10分歩くと目の前に手水鉢とともに巨岩が現れた。本殿前付近は岩場のようでとにかく圧巻なのだが、威圧的でないのには驚いた。おそらく行場だったろうからもう少し厳しい感じなのかと思ったのだが、岩で包み込むような、繭のような感じとでもいおうか。門の前でトゥットゥの写真を撮ると、オーブが写りまくりで驚いた。ファインダー越しに見る彼女は多くの光の玉に囲まれ歓迎されていた。
本殿の前で家族で手を合わせた。私は「健康と体力」、そしてそれをもって「子供たちを無事一人前に育てあげられますように」とお願いした。その後、本殿脇にトカゲが出てきたので、家族を呼んで皆で見た。私たちがこの場所に歓迎されいるようでうれしかった。私たち家族がそこを離れても、しばらくトカゲは石の上にいた。大勢の参拝客がいるのだが皆、トカゲには見向きもしない。ふと思った。神様の恩恵はもう受けているのに、気づかない人はたくさんいるのだろう。気づくこと、感じること、これは大切なことなのだとここの神様に教えてもらった気がする。