2017年7月11日火曜日

夏休み群馬旅行1-群馬の思い出より

6月末、ジェイジェイが「蛍を見に行こう!」と唐突に言った。どうやらトゥットゥと蛍の話になって、彼女が本物を見てみたいと言ったらしい。そこは娘命のお父さん、すぐに本物を見せてやりたいと思ったようである。田舎育ちであるもののすっかり都市型人間になってしまった私は、

「あー、〇日に近所の自然公園がホタルを放つらしいよ。」
「6月に、椿山荘の庭にホタルが放たれているらしいね。会社の同僚の〇さんが毎年結婚記念日に椿山荘にホタルを見に行くって言ってたよ。」

なんて情報を入れてみたものの、

「自然じゃないとダメなんだ!」

とジェイジェイは意気込んだ。

最初ジェイジェイは「我が心の故郷、長野!」(彼の大好きな川中島古戦場があるため…)と長野行きを計画したのだが、その企画を思いついたのは6月末、この地域のホタルのシーズンはもう終わりかけていた。自然、これから旅行を計画するのに合わせて、ホタルがいる場所になってしまう。選ばれた行先は群馬県水上。上毛高原駅の西側の「月夜野ホタルの里」だ。

正直、群馬県と言ってもテンションは上がらなかった。山口県出身の自分には関東そのものに縁遠く、頭の中では群馬は栃木と場所が入れ替わってしまうくらいあやふやで得体の知れない県なのだ。NHK大河「真田丸」の放映中であれば、沼田城、岩櫃城に行ってみたいと思ったかもしれない。その前の大河「花燃ゆ」の放映中であれば、富岡製糸工場に行ってみたいと思ったかもしれない…いや、そもそも世界自然遺産ならいざしらず、文化遺産は就学前幼児を連れていってもゆっくり楽しめるものでもないだろう。

またその時、6月の災厄・プール熱からの病み上がりで体調が完全に復活しておらず、旅行の話をする気にはなれなかった。楽しむにはフィジカルコンディション(肉体の健全さ)は大切なのである。

それでもこの話に乗ってみたのは、家族思いのジェイジェイの心意気に応えてあげたかったのと、小林麻央さんが亡くなられて家族との時間は有限であると思い知らされたからである。

少しだけ残っている元気を燃料にして、ジェイジェイの計画に耳を傾け、意見をしていると、ふと昔のことを思い出した。大学時代、寮の斜め前の部屋に住む女の子が群馬県出身だったっけ。今、インターネット上で揶揄されるような「グンマ―」といった先入観もない分、字面だけ見て素直に「群れる馬、だって。かっこいいね!」と初対面の彼女に言ったところ、破顔して「でしょ!でしょう!!」と大いに喜んでくれた。田舎の高校出たての純朴な彼女の笑顔を思い出して、少し気持ちが上向いてきた。私は寄りたい場所を調べ始めた。